産後のコツコツ貯蓄

整形外科医会 松本英裕

2018年02月15日掲載

昨年8月の健康コラムでは、「骨泣かせのダイエット」と題して書きましたが、今回は「産後のコツコツ貯蓄」と題して、妊娠中・産後における骨の注意点についてお話しします。

妊娠・授乳中のカルシウム不足が骨粗しょう症の原因に

妊娠中は母体から胎児に栄養供給するにあたり、母体において女性ホルモンのエストロゲンや活性化ビタミンDなどが上昇することで、骨密度が上がり、腸管からのカルシウムの吸収が進みます。したがって、妊娠中はカルシウムを増やし、骨密度を上げて貯蓄するチャンスでもあるわけです。しかし、カルシウムが足りない場合は、母体の骨からカルシウムが溶け出し、胎児に栄養供給されるので、母体の骨密度が低下することになります。

 また、出産後は前述したエストロゲンが減り、プロラクチンというホルモンが上昇して母乳が産生されやすくなります。すると、骨密度を上昇させる働きが少なくなる状態となり、母乳産生のために母体からカルシウムが流出する状態になります。授乳終了後、母体の骨密度は回復していきますが、授乳期間が長くなるほど母体の骨密度が低くなる場合があり、回復が困難になる可能性もあります。これは、授乳中は生理が再開しにくく、停止している間は、閉経後と同じようにエストロゲンが低くて骨密度が低い状態になりやすいためです。

産後の骨密度キープ 整形外科もサポート

これらのことは産婦人科の領域かもしれませんが、いわゆる「骨粗しょう症」の状態になり、骨折の危険性が高くなるため、整形外科でも関わっています。「妊娠後骨粗しょう症」といわれるもので、授乳中に重症化した場合は、断乳を勧めることもあります。

予防のためにはバランスの良い食事、運動、日光に当たるなどの対策が必要です。宮崎は“日本のひなた宮崎県”なので、日光に多く当たることができます。いろいろな原因で骨粗しょう症になりますが、予防・治療を行い、健康な骨を保ち“健康寿命日本一”を目指しましょう。

MEMO

産後はカルシウムが減り、骨密度が低下することがあります。カルシウムをしっかり摂取し、骨粗しょう症を予防しましょう。


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