乳がんの内視鏡手術について

宮崎県医師会[外科医会 池田奈央子]

2017年04月20日掲載

 日本では乳がんが年々増加し、女性のがんの第1位となっています。2014年度は新たに約8万人の女性が乳がんになりました。平均年齢は60歳ですが、40歳代後半と60歳代後半にピークがあり、他のがんと比べると若い人が多いです。ただし、70歳を過ぎてもそれほど減らず、90歳でもなりえます。

 昔は、乳房やリンパ節、筋肉をなるべく広範囲に取り去る手術が主でした。現在では、乳がんは初期の段階からがん細胞の一部が全身に広がっているという考えに基づいて、手術では必要な部分のみ切除し、薬物療法や放射線治療などを組み合わせた治療を行います。

 標準的な手術法は「乳房部分切除(温存)術」と「乳房切除術」です。近年、乳房切除術後の「乳房再建術」が保険適応になり、再建を希望する人も増えてきました。がんの手術なので根治性が一番です。「術後の胸の変形や傷はある程度致し方ない。しかし、なるべく元のように、それが無理でもなるべくきれいに」と、患者さんが思うのはもっともです。

 みなさんは、乳がんの手術にも内視鏡手術というものがあることを知っていますか? 硬性鏡といって硬い棒の先にカメラが付いているものを、小さい傷から挿入し、観察しながら同じ傷から挿入したハサミや電気メスを用いて乳腺を切除する方法です。皮膚や乳輪乳頭を温存できる上、がんの直上皮膚ではなく脇や乳輪縁など目立たない箇所に傷を設けるので、整容性に優れています。部分切除術だけでなく、乳房切除術、さらには再建術にも応用できます。しかし、手術の難易度・安全性・手術時間の点でまだ標準化されておらず、選択肢の一つにすぎません。ただ、この内視鏡手術も含めいろいろな技術を組み合わせて、術後の乳房に満足してもらえるよう、医師である私たちは日々の手術に取り組んでいます。

 なお、がんが皮膚や乳輪乳頭に近いところにあると内視鏡手術の適応になりません。やはり早期発見が大切です。定期的に自分の胸を触って感触を知っておけば、異常に気付きやすくなります。ぜひ今日から始めてみてください。そして、年に一度の乳がん検診を受けること、これが早期発見につながります。

MEMO

内視鏡手術とは…小さな手術傷から腫瘍などを切除する方法。体に負担が少ないのも特長の一つ。


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