南国情緒豊かな日南フェニックス道路。自然美と人工美が絶妙に調和し、絵画のような風景が広がる=宮崎市堀切峠・「道の駅」フェニックス

豊かな南国情緒、観光客を魅了

 吸い込まれそうな青空と紺ぺきの海、波状岩の「鬼の洗濯板」にフェニックスの並木―。宮崎市の堀切峠から日南市南郷町目井津までの国道220号は、本県を代表する観光道路だ。その南国情緒にあふれる景観で、訪れる観光客を魅了し続けている。
 総延長は約40キロ。観光だけでなく、県南の生活、物流道路の要でもある。美観に加え、機能と活力を備えた道路として、建設省(現国土交通省)は1987(昭和62)年、日南フェニックスロードの名称で「日本の道100選」に選定した。
 生みの親は宮崎交通創設者の故岩切章太郎さん。戦前から整備に尽力し、海岸線の自然美を「絵画」に例え、フェニックスやリュウゼツランなどの人工美を「額縁」に見立てて大地に絵を描いた。
 新婚旅行ブームに沸いた60~70年代。当時、同社企画宣伝課長だった渡辺綱纜さん(79)=県芸術文化協会会長=は「フェニックスを植え始めたころは『見慣れない植物』と気味悪がられたようです。章太郎さんは『住民に抜かれて大変だったよ』とこぼしていました」と回想する。
 現在も景観を守る活動は盛んだ。一時、壊滅状態にあったコバノセンナは復活し毎年10月、いるか岬周辺を黄金色に染める。日南市平山では地域住民がアマランダを植え、沿道を華やかに彩っている。
 宮崎交通OBを中心につくる「日南海岸コバノセンナを育てる会」代表世話人の長友睦郎さん(69)は「後世まで、県民がこの道路を誇りに思えるようにしたい」。熱い思いで岩切イズムを受け継いでいる。
【メモ】道の駅「フェニックス」やサンメッセ日南、鵜戸神宮などの観光スポットが点在。日南海岸伊勢えび大漁まつりも沿線のホテル、旅館などで開催中。日南市観光案内所TEL0987(31)0606。