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82歳の税田先生勇退 高鍋農高などで50年以上指導

2017年3月31日掲載

離任式で生徒から花束を贈られる税田さん(左)=30日午前、高鍋町・高鍋農業高

 高鍋町・高鍋農業高(湯地誠校長、410人)の非常勤講師税田(さいた)宏俊さん(82)=木城町椎木=が30日、退職した。定年後も含めると50年以上教壇に立ち続け、母校である同校には計35年在籍。生き字引のような存在だった。「じいちゃん先生」「税田じい」と慕われた税田さんは「1人の人間として役に立てばと教員ではなく“先輩”として接してきた。元気でいられたのは生徒たちとの関わりのおかげ」と感謝を語った。

 木城町出身。1953(昭和28)年3月に農業科1期生として同校を卒業し、宮崎大農学部に進学。高千穂高などに勤め、95年、日向養護学校(現日向ひまわり支援学校)校長で退職した。高鍋農業高には現職で20年勤務し、川南分校の最後の教頭も務めた。

 定年後は主に初任者の指導教員として非常勤講師を続け、南九州大で働いたことも。父が亡くなり一時教職を離れたが、計53年間教員として過ごした。稲作や畜産といった農業の基礎はもちろん、トラクターの乗り方から、梅干しなどの食品加工を教え、専門の茶業では、茶園に生徒を連れて行きお茶の入れ方を教えるなど実践的な指導が好評だったという。

 学生寮での生活指導員も務め、農業以外の基本的な学習にも目を配った。最後のテストの答案用紙には「文章が書けるようになってありがたかった」「真剣に怒ってくれた。大好きでした」「長生きしてね」などと生徒からの感謝の言葉が並んだ。

 親子2代で教えた生徒や現職時代の同僚も多い。現職時代にも同校で共に勤務し、定年を迎え同じく退職する湯地校長(60)は「農業とはなんぞやという“農の魂”を伝え、人間教育をしてくれた」と感謝。父親も教え子で、今春卒業した坂本朋哉さん(18)=五ケ瀬町=は「自分の祖父と同じ年で、本当のおじいちゃんみたいだった」と別れを惜しんだ。

 離任式で生徒から花束を贈られた税田さんは「1日1回は価値のある汗をかき、五感を鍛えること。自分以外は皆、先生だという気持ちで生活してほしい」と激励した。