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熱気なき信任<下>60万人の棄権

2018年12月27日

県民との距離感 課題

 県知事選終盤の19日夜、宮崎市民文化ホールで開かれた河野俊嗣氏(54)の個人演説会。ステージに上がった政党関係者は幕が上がった瞬間、驚いた。

 選挙期間中のヤマ場として、陣営は政党、団体などに計約2500人の動員を割り振ったが、実際に会場に足を運んだのは約500人(陣営発表)。選挙戦の序盤から「『可もなく不可もない』という河野氏の評価もあり、初めから有権者の関心は低かった」との見方もあったとはいえ、戦いを優位に進めている候補者の決起集会としては寂しすぎる光景だった。

 盛り上がりに欠けた選挙戦を象徴する演説会となったことについて、出席した自民党関係者は背景をこう読み解く。「河野氏と県民との距離感が出ているのではないか。親近感があればもっと集まっていたはず。(経済団体など)上層部との付き合いはいいのかもしれないが、もっと目線を下げなければ」

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 得票のみならず、投票率が大きな焦点になった今知事選。前回2014年の知事選にも携わった県西部の河野氏後援会の関係者は「今回はやりにくい選挙だった」と率直に語る。

 知人らに河野氏への支持を求めて「棄権はしたらいかんよ」と投票を呼び掛けても、「勝つのは分かっているがね」など、手応えのない反応ばかり。大きな争点もない中で、有権者の熱気を高めるのは至難の業に思えた。

 結果的に投票率は過去最低の33・90%に低迷。60万人余が棄権し、信任の在り方としては苦い結果となった。

 「7割近い方に意思表示してもらえなかったことを重く受け止める」と河野氏。棄権した人たちには「支持する人」「支持しない人」「無関心な人」などさまざまな民意があると分析し、「そうした数字に表れない民意、県民の思いをいかにくみ取っていくかが重要」と決意を語る。

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 歴代知事を知る農業団体OBは故黒木博、故松形祐堯氏について「2人の時代の選挙は自然と態勢ができ、『候補者への期待感』というものも常にあった。周囲の人が動くような付き合いを日ごろしていた」と述懐し、今知事選のありように不満をにじませた。

 ある県議は「本人に3期目で河野県政の完成形をつくるという緊張感や切迫感、迫力がもっとあって、県民に伝われば、選挙戦は違う空気感になったのでは」と振り返る。

 堅実な県政運営が評価されつつも、「カラーがまだ見えない」「熱狂的なファンは見当たらない」との見方もある河野氏。自民県連幹部は「就任10年目に入る3期目は、県政界にある程度影響力を持つ域に入る。人が良い、気さくと評価してもらおうとしているかもしれないが、皆から重きを置かれ、頼られる立場にならないといけない」と強調。「3期目に河野ビジョンを仕上げるつもりで頑張ってもらう必要がある」と訴える。

【写真】空席が目立った河野氏の個人演説会=19日午後、宮崎市民文化ホール

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