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熱気なき信任<上>オール宮崎

2018年12月26日

「盤石態勢」に緩み 県政界、流動の可能性

 「これだけ多くの団体、政党に支援をもらうと、典型的な組織選挙とレッテルを貼られがち。だが、県政を前に進めるためにオール宮崎で頑張っていくことの表れ。堂々と胸を張って勝ち抜きたい」

 主要経済団体、与野党相乗りの支援で危なげなく3選を果たした現職の河野俊嗣氏(54)。告示(6日)直前の3日に開いた選対会議で団体、政党のトップらを前に組織戦への思いをそう語ったとされる。

 選挙戦では「立場は異なれど、『宮崎のために』とまとまる態勢ができている今がチャンス。オール宮崎の旗振り役を託してほしい」と強調。「県政継続」の重要性を繰り返し訴えた。

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 故・安藤忠恕元知事、東国原英夫元知事と立て続けにトップが1期で交代した後の2010年に初当選した河野氏。今知事選前と同様、2期目に挑む前も、主要10団体でつくる県経済団体協議会から要請を受けて立候補を表明した。要請は「県政が安定しないと政策が前に進まない」という思惑からだった。

 そもそも河野氏の後援会組織は「10団体が基本で中心」と後援会幹部。10団体の地域組織の幹部らが、県内に50余りある後援会支部で役職を務めるケースも多く、ある意味で密接不可分の関係にある。

 17年11月、再び10団体が動いたのも、こうした県政界の流れにある。内々で「3期まではいいですよね」と意思を確認した上で、県内の有力者らが一堂に会して再び要請に踏み切った。選挙中、各地のJA、漁協関係施設、支援企業などは河野氏の演説の会場となり、大きな集会や帰陣式には各団体の幹部が顔をそろえた。

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 ただ、盤石の布陣は完全には機能しなかった。各団体、政党の動きは鈍く、有権者の関心が高まらない中で、選挙戦のさなかにある河野陣営関係者の熱も冷めていた。

 選挙戦序盤、ある経済団体関係者は「相乗りの構図では一体感が求められるが、それができていない。河野氏の政治姿勢にほれて応援する人がいないからだ。一見、盤石に見えるが『砂上の楼閣』ではないか」と指摘。選挙戦終盤の17日に開いた選対会議では経済団体関係者が「危機感が足りない」と引き締めを求める一幕もあったという。

 今知事選までは「県政の安定」が結束のキーワードともなってきたが、政党、経済関係者は次期知事選に向けて県政界が大きく流動する可能性を視野に入れ始めている。「今回の選挙では、4年後の知事選に向けたステップを感じることはできなかった」との声も漏れる。

 「成果を出す」と選挙で明言した3期目は来年1月21日に始まる。「政治家が一番脂が乗って力を発揮できる時期」との声は多い。河野氏は選挙後初登庁となった25日、職員を前に表情を引き締め「(本県で)3期目の知事は久しぶり。皆さんの先頭に立って頑張っていく」と力強く述べた。

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 県知事選で河野氏が3選を果たした。ただ、投票率は過去最低の33・90%に低迷、有権者の熱気は高まらないまま、信任される形となった。選挙戦を振り返るとともに、河野氏の3期目を展望する。

【写真】壇上に経済団体や政党の幹部らがずらりと並んだ河野氏の出陣式=6日午前、宮崎市の宮崎神宮

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