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検証 河野県政2 人口減少

2018年11月07日

求められる新たな発想

 地区の高齢化率はこの5年で10ポイント増え52%を超えた。「新しく何かを始めるのは難しく、地区でやれていることをどう維持していくかが大きなテーマだ」。230人余りが暮らすえびの市田代地区の自治会長、貴嶋俊介さん(69)は率直な思いを語る。

 地区は2013年、住民総出による水路の保全活動や、祭りを通じた世代間交流などが「日本一のむらづくり」と評価され、農林水産業コンクール「農林水産祭」で天皇杯を獲得。清らかな湧水、のどかな田園風景、住民同士の絆が訪れた人を魅了しているが、少子高齢化の波にはあらがえず、過疎が進む。

 人口減少が進む中、中山間地振興は避けて通れない。県は15年、宮崎市と東京都に移住相談窓口「宮崎ひなた暮らしUIJターンセンター」を開設し、17年度は本県に506世帯が移住した。しかし、田代地区に住む男性(37)は危機感を募らせる。「移住といっても、学校や病院が近い中心部でないと来てもらえない。働き口がないとやはり厳しい」

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 県政の最重要課題として、河野知事2期目4年間の予算編成で人口の社会減抑制や移住・定住の拡大、子育て支援などに力点が置かれる中、今年3月、厳しい現実が突きつけられた。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、40年の本県人口は87万7千人。前回発表(13年)は90万人で、この5年で約2万3千人も減少幅が拡大した。人口減に歯止めがかかるどころか加速している現状が浮き彫りになった。

 この状況を受け「想定よりさらに厳しい数字が出たことを真正面から受け止める必要がある」と強調した河野氏。その後も中山間地、集落の維持という難題と、ここ数年で顕在化した産業界の人手不足解消に意欲を示し、施策をてこ入れしてきた。

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 「人材供給県」からの脱却も大きな課題。県は県内企業の魅力を高校生に伝えるため、就職支援エリアコーディネーターらを県立高などに配置。産業界を含めた関係機関が一体となって高校生、学生らの地元就職と定着を促すための指針も昨年末に打ち出した。

 18年3月に県内高校を卒業して就職した生徒の地元就職率は全国45位の56・8%で、就職者数は前年比85人減の1606人。全国ワーストになった15年の54・0%から改善されているものの、全国平均の81%を大きく下回っている。県内の大学、短大などを卒業した学生の県内就職率も40%台に低迷したままだ。

 県キャリア教育支援センターの水永正憲トータルコーディネーターは「今は都市部と地方の人材争奪戦。その認識を強くしなければならない」と強調。一方で、こう訴える。「人口減少に関する今の施策は結果が出ておらず、これまでの取り組みの延長線だけでは、もう駄目ではないか。今までにない発想が求められている」

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