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地域の課題・県南/ファーストポート化

2018年12月18日

油津 クルーズ増期待

 「油津港のファーストポート化については県が中心となり取り組んでいる。市としては国への要望などで県と連携し、実現を目指したい」。9月定例市議会の一般質問。海外クルーズ船の油津港への寄港が減少し、その対策を尋ねられた日南市の﨑田恭平市長は「ファーストポート化」をポイントに挙げた。

 海外クルーズ船が国内の港に最初に入港する際は「税関」「出入国管理」「検疫」の各業務を行う必要があり、これら機能を備えた港がファーストポートになることができる。このうち油津港は、検疫態勢が未整備となっている。

 右肩上がりだった油津港への海外クルーズ船寄港は今年、大きく落ち込んだ。最多だった昨年の23回(国内船含め26回)に対し、今年は7回(同11回)。背景にあるのは、クルーズ船人気の高い中国での価格競争。欧米の船会社が競争を避けて東南アジアやオセアニアへ船を配置転換しており、それまで油津港を利用してきた中国発着船が大幅に減った。

 九州各港も同様の状況だが、ファーストポートになっている港は比較的、寄港数を維持している。鹿児島港(鹿児島市)は昨年の97回に対して、今年(12月末見込み)は96回だ。一方、航程期間の短い「ショートクルーズ」増加の流れも、ファーストポートの強みを際立たせる。

 例えば、これまで一般的だった上海発着6泊7日の日本向けクルーズを見ると、終日海上の2日間と出港・帰港日の2日間を除き、寄港できる港は3カ所。ファーストポートに加えて2港の選択肢があり、ここに油津港が入っていた。これが4泊5日のショートクルーズになると寄港は1カ所。必然的にファーストポートが選ばれる。

 ファーストポート化への取り組みは、港湾管理者である県が中心となり進める。国は2016年、検疫港の基準を緩和。国が行う検疫業務のうち、港湾衛生業務などを県など地元自治体が代行することで、クルーズ船の入港が可能になった。

 ただ、ネズミや蚊といった感染症の媒介動物の駆除など、港湾衛生業務には高い専門性が必要となり、業務委託先の選定など容易ではない。また、感染症発生時の対応マニュアル作りなど、多岐にわたる課題を一つずつクリアする必要がある。国の基準緩和後、新たにファーストポートとなった港はまだない。

 県総合交通課は「感染症発生時は県立病院だけでなく、地元の医療機関や救急を利用する可能性がある。日南市の協力をもらい、早期実現を目指したい」と話す。日南市クルーズ振興室は「油津港は立地が良く、船会社にファーストポートを要望する声は多い。実現すれば確実に寄港数は増える」と期待する。

【写真】油津港に今年寄港した海外クルーズ船。寄港数は昨年に比べ大幅に減少した

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