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地域の課題・霧島/噴火と風評被害

2018年12月18日

観光守る情報発信を

 小林市細野のひなもりオートキャンプ場には、霧島連山・新燃岳(1421メートル)の噴火後、予約客から問い合わせが相次いだ。「石が降って車に傷が付くと聞いた」「毎日噴火し、灰が積もっているのでは」。誤った情報をうのみにして、キャンセルされることもあった。

 新燃岳は2017年10月、6年ぶりに噴火。さらに18年3月に噴火が再開したが、6月末には噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に下がっている。同キャンプ場の巣山正明支所長は「噴火が落ち着いている現状が伝わらず、福岡、熊本県からの利用客は現在も回復していない」と長引く風評被害に悩む。

 利用客に正しい情報を知ってもらおうと、キャンプ場のブログで噴火や降灰の情報を発信。11月の3連休には1日約400人が利用するなど、客足は少しずつ回復してきた。

 一方で、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは継続。再び新燃岳の活動が活発化する可能性もある。巣山支所長は「降灰の状況や安全面など発信を続けるが、一つの施設だけで風評被害を食い止めるのは厳しい」と、対策の難しさに直面する。

 4月に噴火した霧島連山・硫黄山(1317メートル)の火山活動の影響で、えびの市・えびの高原でも観光客の減少が続く。えびのガイドクラブの上園信一事務局長は「えびの高原自体が危ないというイメージが払拭(ふっしょく)できていないのではないか」と痛感する。

 同市によると噴火1カ月後の5月の同高原の観光客は、前年比56%減の3万842人。また秋の行楽シーズンに差し掛かる9月の観光客は、2万3510人で同35%減だった。

 上園さんはガイドの依頼を受ける際、規制範囲外は影響が無いことを伝えるが「噴火を警戒し過ぎて来場を自粛するケースが多い」と実感。「白鳥山やえびの岳などの名所は、普段通り楽しめる。安全に楽しめるえびの高原の魅力をPRしてほしい」と求める。

 同高原では先月、県内外の親子連れらから人気の屋外アイススケート場が営業を開始。昨季の利用者は前年を割り込んだため、祝休日には初心者向けスケート教室を開くなどして客足を取り戻そうと奮闘する。

 スケート場を管理するえびの高原荘の久保田竜一さん(42)は「(えびの高原まで)上がれるのか、といった問い合わせが今もある」。小林市側の県道が規制中であることを知らない来場者もいたため「えびの高原に通じるルートの発信が必要。えびの市と霧島市側からの迂回(うかい)路の周知などに努めてほしい」と、観光との両立に向けた対策の充実を求める。

【写真】1日約400人が訪れるなど、利用客が戻り始めたひなもりオートキャンプ場。一方で新燃岳噴火のたび風評被害に悩まされている

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