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地域の課題・西都児湯/基地問題

2018年12月18日

騒音対策 現状即さず

 航空自衛隊新田原基地がある新富町。戦闘機など航空機による騒音被害は町民のさまざまな日常生活に影響し、国の補償の在り方について度々議論が持ち上がっている。現在の騒音状況に即していない住宅防音工事の補助制度や、緊急時の米軍使用施設の整備、相次ぐ米軍機事故への対策など課題は山積み。町民からは「航空自衛隊を抱える県として積極的に地域の課題解決に動いてほしい」と県政に干渉を求める声も上がっている。

 基地周辺自治体が抱える最も大きな課題は戦闘機騒音だ。平日日中に上空を飛び回る戦闘機のごう音は会話を遮り、テレビの音をかき消すほど。子育て世帯では赤ちゃんの睡眠を妨げることが悩みの種になっている。

 障害の解消に向け国は住宅防音工事の補助事業に取り組むが、対象は1993年7月1日以前に建築された住宅のみ(一部を除く)。騒音被害を受けているにもかかわらず、ここ二十数年間に建てられた住宅は対象外となっており、若者世帯からは「いつになったら救われるのか」というため息が聞こえる。

 基地周辺に事務所を構える事業者にとっても騒音被害は甚大だが、防音工事は対象外。町内で通信事業を営む高垣峰忠さん(67)は「お客さんとの電話や面会中に戦闘機が飛ぶと、会話が中断され集中力が途切れる。騒音被害が大きい事業者にも補償は必要」と訴える。

 10月には緊急時に備えて米軍を受け入れる施設整備を日米両政府が合意。沖縄の負担の一部を新田原周辺が請け負うことになった。11月に九州防衛局が行った同整備に関する町区長会への説明会では、区長側が「国の施策を押しつけるばかりでなく地域の声も聞いてほしい」と主張。防音工事の対象拡大に加え、NHK受信料の補助制度の復活などを求めた。

 新田原では在日米軍再編に伴う日米共同訓練を受け入れていることから、全国で相次ぐ米軍機の事故も住民の不安を駆り立てる。今月6日には高知県から南約100キロの太平洋上で、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)の空中給油機とFA18戦闘攻撃機が接触、墜落した。今年から同基地は、新たに九州沖で訓練を実施しており、訓練でトラブルが発生した場合は新田原を緊急着陸先として設定。5、6月にあった訓練ではFA18が燃料補給のため新田原に2回緊急着陸している。

 同町新田の農業河﨑和美さん(45)は「県は新田原に関連する課題を周辺自治体に丸投げしている印象があり、県を挙げて基地問題に取り組んでいる他県との差を感じる。戦闘機事故など重大な事態が発生したら周辺自治体だけでは対処できない。県民の安心、安全を守るためにも、県は普段から積極的に基地問題に取り組んでほしい」と注文する。

【写真】10月末から新田原基地で行われた日米共同訓練に参加するために飛来した米軍戦闘機

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