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地域の課題・県北/道路整備

2018年12月18日

「命の道」改良を要望

 関係者がスイッチを押すと、発破の「パン」と乾いた爆発音が坑内に響いた。諸塚、椎葉村境の国道327号で2009年度から工事が進められている「佐土の谷工区」(約3・4キロ)。今年11月、佐土の谷1号トンネル(仮称、171メートル)が貫通。来年度開通を予定する。

 同国道は道幅が狭くのり面に沿ってカーブする箇所があり、車がすれ違うのは難しい。降雨量が多いと通行止めになる。同トンネルが開通すると諸塚村内の改良工事は終了。村にとって大きな節目になる。

 一方、椎葉村側の工区は橋やトンネルの工事が残り、完了年度のめどは立っていない。20年度には同国道「尾平工区」(約2キロ)が完成見込みだが、17年4月1日現在の同村の国道改良率は29・7%にとどまる。諸塚村は74・2%で、隣り合った自治体で明暗が分かれている。

 椎葉村総務課は「救急車での村外搬送は年30回ほどある。ヘリコプターでの搬送は天候不良時や夜はできない。道路改良が進まないと車内での医療処置が難しい。ドライバーの負担軽減にもなるのだが」と話す。

 道路改良は県道でも進んでいない。北浦、北川、北方町との合併により広大な中山間地を擁する延岡市の場合、主要地方道と一般県道を合わせた県道改良率は46・8%(2017年4月1日現在)。県内9市で最も低い水準にあり、宮崎市87%、都城市86・7%と比べて際立って低い。

 県北全体を見ても、最も改良率の高い日向市が56・2%、次いで門川町が48・1%。椎葉村9・4%、諸塚村10・9%、美郷、高千穂、日之影、五ケ瀬町は20~30%台と、山間部の厳しい地形が整備を阻む現実が浮かび上がる。

 この実態を受け、延岡市は県関連の公共事業の予算増額を求める。住民側も県道関連の整備促進期成同盟会が6団体あり、毎年市長とともに県へ要望活動などを行っている。

 このうち同市北方町を通る県道板上曽木線(17・4キロ)の改良率は16・3%。県は現在、3工区に分け道路拡幅、待避所設置などを進めている。

 同県道の整備促進期成同盟会(小野拳会長)は1992年に発足、沿線地区417世帯で活動し、早期整備を求める看板などを設置する。「道路の必要性を住民で共有し、事業を円滑に進めるためにも活動は重要」と小野会長。

 同県道は今夏の台風で倒木が相次ぎ、沿線地区は一時孤立状態や停電に見舞われた。小野会長は「ライフラインとして重要なのはもちろん、伐期を迎えている林業の振興、それに伴う雇用創出による定住促進は道路整備にかかっている。工事の難所とは理解しているが一刻も早い改良をお願いしたい」としている。

【写真】諸塚村の国道トンネル貫通を祝う関係者。山間部の厳しい地形は道路改良を阻んでいる

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