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100問アンケートから<5>

2018年12月16日

見えない壁 依然多く

■質問■障害者や性的少数者など多様な生き方が尊重される社会になっている

 「障害者は健常者と共存していけるのだろうか。社会に溶け込んでいくことに不安を覚える」

 脳性まひを患う宮崎大工学部2年の星﨑大典(だいすけ)さん(20)=宮崎市高岡町=は、中央省庁や本県を含む自治体による障害者雇用水増し問題のニュースに、言いようのないむなしさが込み上げた。

 幼少期から手足に障害があり、車いす生活を続ける。地元小学校への入学を希望したが、旧高岡町教委からは特別支援学校を勧められた。協議の末、小学校に入学できたが「障害で選択肢が狭まる現実」を子どもながらに感じた。

 時代とともに障害者への理解は徐々に進んできたと実感する。公共施設のバリアフリー化はある程度進んでいるし、同大学では2014年に開設された「障がい学生支援室」のサポートを受け、充実した学生生活を送れている。

 星﨑さんは障害者雇用水増し問題の本質をこうみる。「行政にも障害者を軽視する意識が根底にあるのでは。まだまだ目には見えない壁が残っているということ」

 県では16年4月に障害者差別を解消する条例が施行されたが、県民へのさらなる意識啓発が求められる。

 県が7〜8月に障害者2196人を対象に行ったアンケート調査では、全体の33・4%が「障害があることで、不当な扱いを受けたり嫌な思いをしたことがある」と回答。5年前(13年)の前回調査と比べ3ポイント増えた。2020年東京五輪・パラリンピックや本県開催の全国障害者芸術・文化祭を控え、県障がい福祉課は「県民が障害のある方と触れ合う機会は増える。受け入れ態勢を整えたい」とする。

 性的少数者(LGBTなど)に対しても社会の目が向き始めた。

 一つのステップとして8月、県庁本館が初めて性の多様性を象徴する「レインボーカラー」にライトアップされた。「県の方向性を決定づける県庁が、理解と支援の意思を示してくれたのは、大きな一歩」。ライトアップを提案した男性の同性愛者(ゲイ)で、宮崎市のLGBT交流団体「レインボービュー宮崎」代表の山田健二さん(34)はそう語る。

 市町村でも目に見える変化が出始めた。心と体の性が一致しない性同一性障害の人らへの配慮として、公的文書から性別表記欄を削除する動きが拡大。延岡、宮崎市などは既に一部文書から削除した。宮崎市は来年度、県内で初めて性的少数者に関する専門の相談窓口を開設する。

 だが、多様な性について子どもたちが学ぶ教育の充実、性的少数者が働きやすい職場づくりなど、課題は多い。

 山田さんも「LGBTへの理解を促す施策は始まったばかりで、県だけでなく市町村が担う役割も大きい。ただ、県のトップが『多様性を認める、尊重する』とのメッセージを発信するだけでも街の雰囲気は変わるはず」と訴える。

 星﨑さんも「(障害者や性的少数者を)珍しいものを見るように特別視するのではなく、『いろいろな人がいて当たり前』という考えが広がり、自然に溶け込める社会になってほしい」と願っている。



【松本  隆候補(無所属・新)】

 まだ十分に理解されているとは言えない。どういう立場や分野の問題であれ、少数者の人たちが肩身の狭い思いで生活せざるをえなかったり、差別や偏見のためにありのままの自分を肯定できなかったりすれば、それは健全な社会とはいえない。差別や偏見の解消、除去に尽力したい。

【河野 俊嗣候補(無所属・現)】

 障がいのある人もない人も共に暮らしやすい宮崎県づくりのため2016年に条例を制定するとともに、人権に関する意識啓発にも取り組んできた。県民意識調査では、「人権が尊重されていない」との回答が5〜7%あり、継続して取り組んでいく必要がある。



(届け出順)

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