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100問アンケートから<4>

2018年12月14日

主体的に学ぶ授業を

■質 問■子どもの学力向上に向けた県の対策は十分だ

 「理解してほしいポイントを生徒と共有した上で進めると、さらに効果的」。今月上旬、日南市の南郷中で県教委義務教育課の米満智博指導主事が、同校で数学を教える湯川新二教諭(38)の授業を視察後、アドバイスを送った。

 県教委は小中学生の学力を高めるため、2016年度に「市町村支援チーム」を設置。担当者らが毎年約60の小中学校を3回ずつ訪れ、それぞれが担当する教員の授業を視察。マンツーマンで指導に当たることで、授業力の向上を目指している。

 米満指導主事は「同じ担当者が、同じ教員をチェックすることで、改善した点や課題がよく分かる」と利点を説明。湯川教諭は「授業終わりの小テストの点数が上がってきた」と、生徒の理解度の高まりを感じている。

 文部科学省が小学6年生、中学3年生を対象に毎年行う全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)。07年度の開始以来、本県は知識の活用力を問うB問題で、小学校では国語と算数がともに一度も全国平均を超えていない。中学校は15年度から国語、数学ともに全国平均を下回る状況が続く。

 県独自の学力テストや大学などと連携した「学力アッププロジェクトチーム」による授業改善、個人の成績をデータ化し経年変化を見られるシステムの活用…。県教委はさまざまな取り組みで、学力向上を図っている。

 しかし、18年度もB問題で、小中学校の国語、算数、数学が全国平均を下回るなど、全10区分のうち、7区分で全国平均に届かず、思うような結果は得られていない。

 宮崎大大学院教育学研究科の吉村功太郎教授(社会科教育)は「すぐに結果が出る分野ではない」とした上で、「考える力を育むには一人一人がどこでつまずいたのかを把握し、きめ細かな指導をしなければならない」と強調。「知識や解き方を伝えるだけの授業を見直し、児童や生徒が主体的に学べる取り組みが必要」と述べる。

 指導力の向上に加え、教員が児童生徒と向き合う余裕をつくることも教育現場が抱える課題だ。

 県教職員組合は7、8月に県内小中学校の教職員389人を対象にアンケート調査を実施。結果、昼休み時間の業務や自宅で行う「持ち帰り残業」を含めた時間外勤務が、小学校教職員の55・1%、中学校教職員の72・5%で「過労死ライン」といわれる月約80時間を上回っていた。

 「空き時間を増やし、ゆったり教育活動を進めたい」「教材研究をする時間はないのに『学力向上』と言われる」。アンケートには、児童や生徒の学習指導に時間を費やすことができないという、教員のもどかしさや苦悩がつづられていた。

 学校閉庁日の設定や働き方改革推進プランの策定、「部活動指導員」の活用など国や県、各学校は対策を進める。

 ただ、宮崎国際大教育学部の橋口泰宜教授(教育行政学)は「人員や休日を増やすだけでは不十分」と指摘。教員が教育に専念できる環境づくりが必要とした上で「事務職も含めた業務の見直しや効率化、保護者や地域住民を巻き込んだ学校運営などを実施し、教員の負担を減らし、やる気を高めることが大切」と訴える。



【松本  隆候補(無所属・新)】

 子どもたちの学びの環境を整えることが重要。学校、教員が平均点競争に走らされるような学力形成に有害な学力テストを中止し、本来の学力形成のために、教員の数を増やし、少人数学級でどの子どもにも面白く分かりやすい授業、「落ちこぼし」をつくらない授業が必要である。

【河野 俊嗣候補(無所属・現)】

 2016年度から市町村と連携し、各学校の状況に応じた対策や学力アッププロジェクトチームによる授業づくりの研修会など、課題の共有と学力向上対策を行ってきた。こうした取り組みは継続が重要なので、引き続き市町村や各学校と連携し進めていく。

(届け出順)

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