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100問アンケートから<3>

2018年12月13日

路線存続 強い危機感

■質 問■JR九州の鉄道網は今後もすべて維持すべきだ

 えびの市栗下のJRえびの駅。都城発の吉都線の列車が4日午後7時前に到着すると、制服姿の高校生約10人が下車し、それぞれ家路に就いた。

 えびの市小田の会社員冨岡里奈さん(36)の長男で、小林市・小林秀峰高1年の竜稀(りゅう き )さん(15)もその一人。えびの市内にも同じく県立の飯野高があるが、「サッカーに打ち込みたい」と、部活動がより盛んな小林秀峰高への進学を選び、列車での通学を続けている。

 冨岡さんは同市内に勤務し、毎日高校まで送迎する余裕はない。路線バスも運行しているが、運賃や所要時間は列車の2倍前後で通学時間に適した便もない。「子どもの進学、通学を考えると、鉄道はなくてはならない交通手段」と強調する。

 同市などによると、市内からは本年度、小林、小林秀峰、小林西高へ計184人が定期券を利用し通学しているという。同市企画課の黒松裕貴課長補佐は「吉都線が子どもたちの進学の幅を広げてくれているのは事実。もし廃線になれば、子育て世代が転出するなど人口流出に拍車が掛かる可能性は高い」と語る。

 本県の鉄道を取り巻く状況は、この1年で目まぐるしく変化した。

 JR九州(福岡市)は昨年7月、「鉄道事業の現状に理解を深めてほしい」と、全線の旅客輸送密度(1キロ当たりの1日の平均乗客数)を初めて公表。2016年度の本県関係分では、吉都線がワースト2位、日南線が同3位という結果が突き付けられた。

 また同社は昨年12月、地元自治体などへ十分な事前協議や説明がないまま、ダイヤ改正に伴う大幅減便を発表し、今年3月から日豊、吉都、日南の3路線で普通列車15本の削減を断行。通学で利用する中高生をはじめ、乗客の利便性は大きく損なわれた。同社は高校のテスト期間中に臨時便を運行させるなどの対応は取っているが、減便の復活には至っていない。

 さらに、今年7月公表の17年度輸送密度では、吉都線は474人と九州で最下位に転落。これに合わせ、同社の青柳俊彦社長が「(輸送密度が)2千~4千人未満のところは、基本的に維持するのは困難」と発言し、波紋を呼んだ。

 県はこの発言に抗議し同社から「(発言は)社としての正式な見解ではない」との回答を得たが、吉都線の輸送密度は1987(昭和62)年度から約7割減少している現状もあり、路線を維持できるか不安は拭い去れていない。

 こうした一連の動きに県や沿線自治体は危機感を強め、4月には学校などへの調査を実施し、影響が大きかった10便の復活を同社へ要望した。

 加えて、6月には県の呼び掛けで吉都、日南線の維持を目的に、地域住民や事業者、行政などが利用促進について協議する「みやざき地域鉄道応援団」を設立。同応援団は年内にも利用促進に向けた提言をまとめ、県に提出する方針だ。

 県総合交通課の小倉佳彦課長は「利用者増につなげなければJR側は振り向かない。路線存続へ強い危機感を持ち、効果や継続性を重視して数字という結果にこだわった対策に取り組んでいく」と話している。



【松本  隆候補(無所属・新)】

 公共交通機関としての役割と責任は大きく、赤字を理由にしたローカル線の廃止などあってはならない。現在、大幅な減便やワンマン化が実施され、とりわけ通学生や障がい者らに不便と不安、危険性をもたらしており、早急に見直し、元に戻すことが強く求められている。

【河野 俊嗣候補(無所属・現)】

 鉄道は、地域交通として重要な役割を担っており、本県における鉄道網はすべて維持すべき。一方、マイカーの普及や人口減少等により利用者が大きく減少しており、今後、観光交流の観点からの取り組みも重要なので、沿線市町村やJR九州と一緒に利用促進に努める。

(届け出順)

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