第 13 日
第89回全国高校野球選手権宮崎大会第13日は23日、サンマリンスタジアム宮崎(県営球場)で準々決勝2試合が行われた。日南学園、宮崎商が勝ち上がり4強が出そろった。宮崎商は9回では大会記録となる21安打を放った。
日南学園は4回、大松陽平の左越え本塁打などで一気に逆転。以降も着実に加点、日向に7回コールド勝ち。宮崎商は6点を追う6回、打者9人の猛攻で5点。7回、佐藤大志の左犠飛で逆転した。両チーム合わせ35安打、延岡工との打撃戦を制した。
24日は休養日。第14日の25日は、同球場で準決勝2試合を行う。
【日南学園 9―2 日向】 記事を読む
【宮崎商 15―11 延岡工】 記事を読む
日南学園好機逃さず
【サンマリンスタジアム】
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||
| 日南学園 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 1 | 2 | - | - | 9 | ||
| 日 向 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 2 | ||
| ( 7回コールド ) | ||||||||||||
▽本塁打=大松 ▽三塁打=坂本 ▽二塁打=堀、大松 ▽盗塁=日1(大原) ▽試合時間 1時間59分
【評】 勝負どころで力強く畳み掛けた日南学園が快勝した。2点を追う4回、大松の左越え本塁打で反撃開始。相手先発のスキを逃さず2連続四球などで一死満塁とし、堀の内野安打となったスクイズで加点。さらに畑中の左前2点適時打で一気に主導権を奪い取った。有馬は切れのある球を内外角に集め、3回以外は1安打に封じた。
日向は3長短打で先手を取ったが、要所で投手陣が踏ん張れなかった。以降は投打にリズムを失った。
日向・森純雄監督 (4強ならず)「思い通りの展開に持ち込むことはできたが、4回の5点で相手を乗せてしまった。中盤以降は力負けです」
日向・山澤宏俊主将 (コールド負けに)「ストレートに的を絞っていたが、切れのある変化球に戸惑わされた。気持ちでは負けていなかったと思う。この経験を生かし、後輩は甲子園を目指してほしい」
日南学園・有馬翔投手 (7回2失点)「制球ミスでの失点は反省。スライダーが低めに決まり、狙って三振を取れたことは良かった」
日南学園・大松陽平左翼手 (4回に追撃の本塁打)「流れを変えてやろうと思い打席に立った。自分のスイングができた結果です」
「弱さ」に悔しさ
○…先手を奪った直後のスキを突かれた日向。さらに重圧をかけるはずが、逆に「守りに入った」と先発柳田貴教。V候補を揺さぶる形は整えただけに、踏ん張りどころの「弱さ」に悔しさをにじませた。
理想的な展開に持ち込んだ。3回、先頭の坂本純一が右中間へ三塁打。好投手を完ぺきに捕らえたチーム初安打で勢いづき2点。先に主導権をもらい、左腕はさらに波に乗るかに見えた。が、4回、5番に左翼席へ運ばれ「立て直せなかった」と、連続四球。リズムを崩し好き放題に攻め立てられた。
致命的な5失点で「挑戦者の気持ちで9回まで苦しめよう」チームの合言葉もしぼみ「みんなに申し訳ないです」と柳田。ただ、3回までは格上を手玉に取り、堂々の投球を見せた。「今後も野球を続けたい」。次なる舞台での仲間への“恩返し”を誓い、グラウンドを去った。
流れ呼んだ四球
○…取られたら取り返す―。日南学園が優勝候補らしい、分厚い攻撃力を発揮した。先行されたものの、落ち着いた試合運びで一気に逆転。中本翔太主将は「一生懸命やった結果です」と胸を張った。
先制点を許したのは昨秋の大会以来。「刺激になって引き締まった」と小川茂仁監督。4回一死から大松陽平が左越えに一発を放ち1点差。中崎雄太が9球粘り四球を選ぶ。指揮官が「貴重な1打席だった」とたたえた、この“ファインプレー”が流れを呼んだ。続く打者も歩き、動揺する相手エースのスキを逃さなず、一巡の猛攻で5点を奪い逆転。以降もスクイズなど大技小技で加点した。
準決勝の相手は宮崎日大。最近の2大会で1点差と競り合った強敵だ。中本は「厳しい試合になると思うが全力で戦うだけ」と気を引き締めていた。
宮崎商驚異の逆転勝ち
【サンマリンスタジアム】
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
| 宮崎商 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 | 2 | 3 | 15 |
| 延岡工 | 3 | 0 | 1 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 11 |
▽本塁打=上柳▽三塁打=木澤 ▽二塁打=上柳、小窪、谷口、松本 ▽盗塁=宮2(小窪、永田)延1(倉橋) ▽失策=宮2(赤川、松本)延2(木澤、稲垣) ▽野選=松本 ▽試合時間 2時間59分
【評】 宮崎商が底力を発揮し、驚異的な逆転勝ちを収めた。6点を追う六回無死満塁に小窪の左翼線二塁打で2点。さらに犠飛と敵失で計5点。1点差に詰めよると勢いは止まらず、7回に上柳の本塁打などでひっくり返した。8、9回も畳み掛け、両チーム併せ35安打の乱打戦を制した。
延岡工は5回までの好機を確実に生かし、8安打をで9点を奪ったものの、以降に投手陣が乱れた。再び打線が粘り、終回に意地を見せたが及ばなかった。
延岡工・湯地龍男監督 (逆転負けに)「継投がうまくいけばという思いはあるが、向こうが上だったということ。打線は力を出し切った。敗れはしたがよく頑張ってくれた」
延岡工・黒木宏樹投手 (先発し2回途中降板)「エースの役目を果たせなかった。自分がもう少し踏ん張れていれば…。いいチームだった。みんなに感謝したい」
宮崎商・上柳秀多左翼手 (7回に同点弾)「チームの勢いを止めないよう打った。勝利に貢献できてうれしい」
心一つに窮地脱す 宮崎商
「今までエースに頼り放しだったから何とかしたかった」(三松奨主将)―。宮崎商は、あわやコールド負けの窮地をはねのけ逆転勝ちした。大黒柱の赤川克紀が序盤にまさかの降板。このピンチに部員60人が勝利に向け心を一つにした。
6点リードを許した5回終了時。濱田登監督が「今までやってきたことを信じろ」。このひと言がベンチを包んでいた暗いムードを吹き飛ばした。「このまま負けられない」との強い思いが鋭い振りを呼ぶ。
6回、3長短打や相手失策などで5点を奪い反撃開始。流れを完全につかみ、7回、佐藤大志の左犠飛でついに逆転した。終わってみれば21安打を放ち15得点。「ここまで打つとは…。信じれば、こういうこともあるのか…」と指揮官を驚かせた。
初回、守備が乱れ1安打で3点を奪われるなどリズムをつかめない。攻守の歯車が狂い、苦しい展開が続く。しかし、ベンチ、応援席から「まだいける」と大きな声。選手も「赤川を次も投げさせたい」と2年生左腕をもり立て、底力を見せた。
昨年の2回戦敗退から今年は4強入り。濱田監督は「送球のぶれなど守備の精度を上げたい」と反省も忘れない。持ち前の「守り勝つ野球」を徹底し、投手を上り調子の打線が支え第1シード撃破に挑む。(道久)
全力出し切った
○…延岡工が5回までに6点差でリード。5年ぶりの4強を、ほぼ手中に収めたかに見えた。だが、そこから相手の気迫にのまれ逆転負け。まさかの展開を示すスコアボードを見詰め、選手たちはぼうぜんとグラウンドに立ち尽くした。
“明暗”を分けた前後半だった。5回までは思うがままに攻め立てた。初回は敵失を突き3点。3、4回は連打を浴びせ、大会屈指の左腕を引きずり降ろす。守りは2回に3失点したが立て直し、グラウンドを支配。「あと4回」。その直後だった。二番手がつかまると、ムードがしぼみ逆転を許す。終盤まで相手の勢いを断ち切れないまま力尽きた。
だが、その展開でも腐らず意地を見せた。終回に主砲谷口博紀らが食らい付き4安打を集め2点。それがチームの救いだ。谷口は「県選手権で打てなかった相手先発にリベンジもできた。誰のせいでもない。みんな全力でやりました」。涙をふき、仲間と握手を交わした。






