特集「直前情勢」
 統一地方選の第1ラウンドとなる県議会議員選挙が迫ってきた。30日告示、4月8日投開票に向け、前回から1減となる71人が現在までに立候補を表明。45の議席をめぐり、現職37人、元職3人、新人31人がしのぎを削る。県官製談合事件でチェック機能を発揮できなかった県議会に対する県民の批判に加え、東国原県政の誕生でさらに存在感の増した無党派層の取り込みも当落の鍵をにぎりそうだ。16の選挙区別に情勢を探った。(文中敬称略、立候補予定者人数などは3月28日現在)
【選挙区リスト】 宮崎市  都城市  延岡市  日向市  西都市・西米良村  日南市・南那珂郡
串間市  えびの市  小林市  西臼杵郡  東臼杵郡  児湯郡  宮崎郡  東諸県郡
西諸県郡  北諸県郡
【宮崎市】(定数12)
現職地盤へ切り込み 合併3町の票固め懸命

 昨年1月の合併で旧宮崎郡区から旧佐土原と田野町が、旧東諸県郡区から旧高岡町が加わり、有権者約30万人となった県都・宮崎市。新人・元職計11人、現職9人の計20人が立候補を予定する乱立模様だ。

 「革新系は旧3町の組織票が入り有利」との声もあるが、地元候補者がおらず草刈り場となる旧田野町をはじめ旧高岡、佐土原町でも宮崎市への票の流出は避けられず、各陣営は地元票を守りながら外に攻め込む難しい選挙戦となりそうだ。

 自民現職はベテランの外山、由利と再選を目指す前本、横田の4人。住吉地区を地盤とする外山は実績をアピールし、支援団体のあいさつ回りなどで地元票固めに力を注ぐ。出馬の決断が遅れた由利は県政報告会などで檍、大宮などの地域票をまとめ、旧田野町でも後援会組織を立ち上げた。生目、大塚などの西部地区を地盤とする前本は旧高岡町出身候補の攻勢を警戒しながら、新たに大淀地区で票を開拓する。

 新人で自民公認を得たのは川添と有岡。川添は勇退する党県連会長の父睦身の後継。前宮崎市議で高岡町を地盤とする有岡は農業票を取り込みながら、無党派層へのアプローチも狙う。

 民主は5期目を目指す井上と権藤が公認候補。全国的に組合員離れの傾向が強まる中、民主の支持基盤となる労組の引き締めに力を入れ、新たな地域票や女性票の獲得にも動く。新人の右松は民主党県連の推薦を得て選挙戦に臨む。

 公明は前回選挙で長友と新見の現職2人が1、2位を独占し、圧倒的な組織力を見せつけた。今選挙でも2人の安定感は抜群だ。

 前回の選挙で唯一の議席を失った共産は、元職の前屋敷が議席奪還を目指す。前屋敷の根強い個人票にも期待がかかる。

 社民は、2005年の衆院選立候補のため辞職した元職で県連代表の鳥飼が返り咲きを狙い、外山も再選を目指す。

 無所属の元職では、通算5期の実績のある福田が活発。出身地が同じ旧佐土原町で支持基盤も共に農業団体という自民現職の横田と票を奪い合う。一方で、隣接地で自民現職の外山の地盤でもある宮崎市住吉地区への浸透をうかがう。

 無所属新人は5人。前宮崎市議の外山は出身地の高岡町建設業協会の推薦も得て、有権者約1万人の同町を割って自民新人の有岡と激しい票争いを展開する。前宮崎市議の湯地は市議を5期務めた実績をアピールし支持拡大を図る。市内全域での幅広い浸透を狙う武井は、観光振興策などを毎朝の街頭演説で訴える。

 上杉は元自治相上杉光弘の三男だが、「父親の地盤には頼らない」と言い切り、都市部を中心に草の根選挙を行う考えだ。日高は県議選3度目の挑戦となる。

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【都城市】(定数6)
旧北諸加わり混戦 地元票引き締めに躍起

 昨年の合併に伴って三股町を除く旧北諸県郡四町が選挙区に加わり、票の流れが読みにくくなった都城市区。現職六人と新人3人が立候補を表明しており、激しい選挙戦が予想される。

 旧都城市区出身の現職5人と新人3人は、それぞれ旧北諸県郡区で後援会組織づくりを進めるなど票田の拡大を模索し、当選圏内とされる1万票以上の得票を目指す。

 自民現職は5人。萩原は昨年2月の都城市長選で長峯誠陣営の選対本部長を務めて旧4町でも知名度を上げ、これを武器に各町での浸透を図る。昨年2月の県議補選で復活当選を果たした中村は、同市区で最多となる当選4回の実績をアピール。徳重も現職の強みを訴えながら旧4町を回り、地元の引き締めにも力を注いでいる。

 同補選で初当選した元市議の内村も、保守系初の女性現職として女性票の取り込みを狙う。一方、旧北諸県郡区で過去二回連続で無投票当選だった星原は、地元票の掘り起こしに懸命。本拠地の旧高城町に近い旧都城市区の志和池、沖水地区へ攻勢をかけて他候補に対抗する。

 社民現職では3期目を目指す満行が票固め。旧市域はもちろん、旧北諸県郡4町の職労などの組織票に期待を寄せる。

 新人では、2月に元市議の杉村が無所属での立候補を表明し、混戦模様に拍車を掛けた。杉村と同じく県議補選で敗れた元市議の山下は自民公認で立ち、地元の同市中郷地区の引き締めを図る。6回目の挑戦となる共産の畑中は独自の戦いを展開し、保守批判票の取り込みで初当選を目指す。

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【延岡市】(定数5)
「三北」加わり激戦も

 選挙区再編で東臼杵郡の北川町と旧北浦・北方町が加わったが、定数は5のままで厳しい選挙となりそうだ。「三北」の票の上積みを計算しながら、各候補とも基礎票や地盤を固め、無党派の掘り起こしに神経を注ぐ。

 井本は告示前の決起大会で、勇退を表明した東臼杵選出の松井繁夫の後継であることを前面に押し出すなど、三北地区で強い松井の基礎票を狙う。湯浅は旧町議を陣営に迎え、保守票の取り込みを図る。井本、湯浅とも新人の食い込みに強い危機感を抱く。

 創価学会を支持基盤とする河野は、三北地区でも集票力は安定。県議での実績を訴えながら、組織票固めに力を入れる。県北地区労組会議の支持を受ける太田は、新たに延岡市に加わった旧北方、北浦町の自治労に支持を呼び掛ける。

 三北唯一の候補者であることを打ち出す盛武は、延岡在住の三北出身者らへも支持を訴える。決起大会も北川、北浦を中心に動員に成功した。

 市議出身の大西、新井は大きな上積みが必要。唯一市中心部を地盤にする新井は、川中地区での票固めを図る。大西は告示後に全地域を回り浮動票の獲得を狙う。政治経験のない松田だが、ミニ集会や朝立ちを重ね市南部を中心に浸透。他候補も警戒感を強める。

 体調不良で出馬を断念した山口哲雄の後継である田口は、立候補表明が1月と出遅れたことを不安視。県北同盟など組織票の引き締めを図る。

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【日向市】(定数3)
95年以来の無投票公算

 自民現職の黒木と十屋と、無所属新人の会社役員西村が立候補を表明している。

 非自民の受け皿となる候補を擁立する動きが地区労などを中心にあったものの結局、まとまらなかった。立候補を模索する無所属新人もいるが、最終的には1995年以来の無投票となる可能性が大きくなっている。

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【西都市・西米良村】(定数2)
現職に新人挑む “住み分け”状態どう崩す

 無投票の見通しが一転、自民現職の浜砂と押川に無所属新人の橋口が挑む構図となった。4年間で選挙区内の“住み分け”ができつつある現職。そこに橋口がどう攻め入るかが焦点となりそう。

 浜砂は大票田の妻地区が地盤。穂北、米良地区でも浸透、全域の「協力会」が後押しする。押川は地元の山田、都於郡、三財地区を固め、農業関係者の支持も集める。

 橋口は昨年の市議選落選の経験から、妻地区の浮動票の獲得を図る。

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【日南市・南那珂郡】(定数3)
新人2人が挑む 現職手堅く組織固め

 自民の坂元と外山、社民の高橋の現職3人に新人の沢山と辻が挑む。前回は2人が立候補した南郷町からは今回は出馬はなく、同町の票も大きなポイントになりそうだ。

 前回トップ当選の高橋は地区労などの推薦を受ける。「組織があるから有利」との声にも危機感を募らせており、組織票を固めつつ浮動票の獲得も視野に入れる。

 「最後の県議選」と公言する現議長の坂元は、東国原知事就任の際、対立軸のように見られた負のイメージの払しょくに躍起。農村部や建設業者らの支持を武器に、手堅く票をまとめる考えだ。

 前回無所属で戦った外山は、今回は坂元と同じく自民の公認候補として選挙戦に臨む。前回支持を得た無党派層に加え、今回は農業、漁業など1次産業関係者らの票も取り込む構えだ。

 保守系の沢山は、衆院議員中山成彬の後援会の協力を仰ぐなど中山の元秘書という肩書を生かした選挙戦を展開。最年少である強みを生かし、若年層や女性の票も狙う。

 辻は車を使わず徒歩で支持をアピールする独自の活動を続けている。

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【串間市】(定数1)
候補対立の動きなし

 自民現職の野辺が4期目を目指す。過去2回の選挙では市内2大派閥が激しくぶつかり合う接戦を繰り広げてきたが、今回は一転して候補対立の動きはない。早くから確実視されてきた通り、無投票の公算が大きい。

 野辺は過去の実績に加え、地区単位に強固で細かな組織を張り巡らして幅広い支持を集め、死角は見当たらない。

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【えびの市】(定数1)
現職と新人激突派閥対立再燃か

 3選を目指す自民現職の中野と無所属新人の松坂の一騎打ちとなる見込み。松坂は市長の宮崎道公の支援を得ており、連綿と続く派閥争いの色合いもにじむ。

 中野は出身母体のJAえびの市をはじめ、農業や建設業など200以上の団体から推薦を受けた。昨年3月の市長選で応援した候補者が宮崎市長に敗れ危機感もあるが、陣営は「実績は十分」と支持の浸透に力を入れる。

 松坂は2月の立候補表明後、自らが会長の政治団体を結成。街宣活動やミニ集会で知名度向上を図る。市長との良好な関係を訴えながら、各団体への推薦願いは「形式的」として見送るなど、無党派層の取り込みも意識している。

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【小林市】(定数2)
自民現職追う新人 旧来派閥、票奪い合いも

 自民現職の水間、宮原と保守系の無所属新人の下津佐が立候補を表明。同市旧来の派閥の流れも取り込みながら、各陣営は危機感をあおって組織の引き締めを図る。

 前回トップ当選で3期目を目指す水間は、元市長志戸本慶七郎派や現市長堀泰一郎派の票を、市議会議長の下津佐と分け合うことになる。市議4期、県議2期の実績と経験を強調し、新たな支持層獲得に余念がない。

 下津佐は中山成彬衆院議員の元秘書。中山の旧宮崎2区時代からの後援会を中心に現職陣営の切り崩しを狙う。ただ、立候補表明が1月下旬と出遅れ感は否めず、告示後の巻き返しが鍵となる。

 2人と派閥の流れが重ならない宮原は「若さと行動力」をアピール。上滑りを警戒しながら再選を目指す。

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【西臼杵郡】(定数1)
無風で緒嶋6選確実か

 6期目を目指す現職の緒嶋以外に立候補の動きはなく、無投票で決まる公算が極めて大きい。

 選挙区は農山村部であるため、農業問題を中心に道路網整備などにも取り組み、支持は農林業者や商工、建設関係者などに広く浸透。議会で実績を積む緒嶋に対抗できる新人は見当たらず、5期連続の“無風区”となるのが確実の状況だ。

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【東臼杵郡】(定数2)
有力新人ら現職と争う

 自民の現職1人と、町村議会のベテラン議員である民主新人1人と無所属新人1人が2枠を争う激戦。ほかにも立候補を模索する動きがある。

 米良は党県連幹事長などの要職を務める実績と知名度を生かし、6期目を目指す。地元の大票田・門川はもちろん、入郷地区にもこまめに回る。

 前諸塚村議会議長の黒木は「入郷地域や中山間地の声を県政に届けるパイプ役」を自認。入郷地域の議会や農林業関係者も支援する。入郷を足掛かりに拡大を図る。

 前門川町議会議長の浜田は「1党だけでは複雑多様化する住民ニーズに応えているとは言い難い」と、非自民勢力の受け皿となると同時に、保守層への食い込みにも力を入れる。

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【児湯郡】(定数3)
乱立予想に警戒感 元県議の票行方焦点

 3期連続トップ当選の坂口は、地元新富町で発生した鳥インフルエンザ対策の影響もあり出遅れを懸念。新人乱立での目減りを警戒しながら支持固めに奔走する。

 農業団体からの支持を頼りに5期目を目指す永友。保守地盤の強い川南町出身だが、知事選で自民組織が機能しなかった現実は懸念材料。都農町も含め票集約に懸命だ。

 前回、約1万票を獲得して当選後、国政挑戦で辞職した元県議の票の行方も焦点の一つ。元県議の地盤だった新富町新田、上新田地域では木城町出身の図師が先行するが、新人ということで人気が票に直結するか不安も残る。

 16年間県議不在の高鍋町では、地元の新人2人が大量得票を狙うが、他候補の食い込みも激しい。金物店を営む松村は商工関係や町づくりなどのボランティア活動で築いたネットワークを生かす。町を2分した2年前の町長選のしがらみが気掛かり。情報技術(IT)会社経営の中岡は若さを前面に出し、インターネット活用など独自の展開を見せる。

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【宮崎郡】(定数1)
保守系新人一騎打ち

 合併に伴い1人区となって初めての戦い。前清武町議で無所属新人の2人が立候補を表明しており、保守系同士の一騎打ちとなる公算が大きい。

 河野は既に農民連盟などの農業団体や建設業者から約30の推薦を受け、組織型の選挙を展開。加納周辺の新興住宅地も回り、支持拡大を狙う。これに対し、平原は団体からの推薦や支援は受けず、草の根の選挙展開を続ける。誘致企業や地元企業などを固めながら、町内をくまなく回り支援を要請する。

 両者とも、多くの浮動票を抱える加納周辺でどれだけ得票できるかが当落の鍵と見ている。

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【東諸県郡】(定数1)
1議席し烈な争い 新人の挑戦かわせるか

 合併に伴って旧高岡町が抜け、今回から国富、綾町で1議席を争う。

 現職で再選を目指す自民現職の中野は「雇用対策と土地の有効活用」を訴え両町で後援会組織を固めた。JA宮崎中央など農業、商工業、建設業など幅広い推薦を得ている。一時は無投票がささやかれていたが、一騎打ちの様相となり後援会の体制を再構築した。

 無所属新人の福元は国富町議を辞して2度目の挑戦。表明が3月に入ってからと出遅れ感は否めないが、町議を通算5期、議長経験もあり知名度は十分。農業出身で「地域の活性化は農業から」と訴え、支持を拡大しつつある。綾町でも同窓生を中心に草の根で支持を訴えている。

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【西諸県郡】(定数1)
無投票の公算大

 3期目を目指す自民現職の丸山以外に立候補の動きは見られず、連続無投票の公算が大きい。

 8回の当選を重ねたベテラン県議の父親から引き継いだ地盤は支持が根強い。支持者の多かった旧須木村が合併により小林市区となったが、高原、野尻町内を積極的に回り手堅く票をまとめている。対立候補が現れる気配はない。

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【北諸県郡】(定数1)
現職の4選阻めるか

 旧北諸県郡4町が都城市と合併したため、選挙区は三股町のみ。自民現職で4選を目指す蓬原の無投票当選と目されていたが、2月に町議の桑畑が無所属での立候補を表明し、一騎打ちの様相を呈している。

 桑畑は町議6期目半ばでの県議選初挑戦。市町村合併で自立の道を選択した同町と県との橋渡し役を目指すと公約し、無投票選挙を嫌った有権者からの得票を狙う。

 迎え撃つ蓬原は県議12年の実績をアピール。町内各地で県政報告会を兼ねたミニ集会を開いて後援会組織の引き締めを図り、桑畑と同じく同町と県央部との格差是正を訴えている。

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