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県北の2020年

2020年1月14日
◆歴史と未来をつなぐ年に◆

 延岡市中心部では今、市公会堂「野口記念館」と歴史資料館「内藤記念館」の建て替え工事が進む。いずれも昭和30年代の完成から半世紀以上を経て、交流拠点としての役割も担う新たな文化施設に生まれ変わろうとしている。二つのまちのシンボルと同様、県北の2020年は、これまで積み重ねてきた地域の歴史を令和の新たな動きへと「つなぐ」年となりそうだ。

 延岡市は本年度、農家・漁業民泊を軸とするインバウンド(訪日外国人客)の取り込みに本腰を入れている。昨秋には市内19の民泊業者による「延岡ふるさとツーリズム協議会」が中心となり、モニターツアーで熊本、大分大留学生の計45人を受け入れた。今年も香港、中国などから修学旅行の誘客に向けて調整を進める。

 県北の農家民泊は06年、五ケ瀬町桑野内地区住民が県内の先駆けとして取り組みを開始。12年には西臼杵3町と椎葉、諸塚村がインバウンド誘致も視野に「フォレストピア高千穂郷ツーリズム協会」を設立するなど、山間部の基盤はできている。さらに延岡市のグリーン・ブルーツーリズムが加われば、圏域の魅力が増すことになる。

 旭化成の創業地として製造業が集積する工業都市・延岡が見据える将来。それは経済・産業活動により生まれる人の流れに加え、観光や学びなど多様な目的を持った人も呼び込む交流都市への変貌だ。外国人の訪問が移住への呼び水となるなど、新たな展開に期待したい。

 一方で足元を見れば、読谷山洋司市長が公約である地域新電力会社の20年度内設立を目指すと公言。また、市が保有する333施設の統廃合や長寿命化など個別計画が、同じく20年度末までに作られる。限られた予算で何を残しどこを変えるか、市民は見定めていく必要がある。

 日向市は3月の市長選に現職の十屋幸平氏(65)と新人の竹花恭子氏(57)が立候補を表明している。医師不足に揺れる市立東郷病院の今後の在り方や、安全策の強化も求められるサーフタウン構想など、まちの未来について考える機会としたい。

 五ケ瀬町では2月9日、欠員2となった町議会(定数9)の補選が行われる。18年の前回補選に続く立候補なしという事態を回避できるか注目される。

 また、あらゆる取り組みの進展に大きな影響を与えるのが高速道路の整備だ。県北地域が本県と大分、熊本県をつなぐクロスポイントとして真価を発揮するために、横軸となる九州中央自動車道の全通は急務である。しかし現在の供用率は約30%、総延長95キロのうち未事業化区間が45キロ残る。全線事業化と早期着工を強く訴えねばならない。

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