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注目の都城市長選

2020年1月11日
◆穴ない現職に対する注文◆

 都城市の今年最大の関心事は11月に任期満了を迎える市長選だ。池田宜永市長は昨年12月議会で3選を目指し立候補することを明らかにした。現時点で他に立候補の動きはない。経済10団体による出馬要請は池田市長には心強い後押しとなり、このまま2期連続の無投票になるのでは、との空気が漂う。

 市長は立候補表明の中で「三つの宝を輝かせようと取り組み、中心市街地活性化、対外PRの推進に努めてきた」と述べた。市長の言う宝とは「農林畜産業」「地の利」「人間力あふれる子どもたち」を指す。

 「農林畜産業」の主役である畜産を見ると、子牛価格は高値を維持。生産農家は「肥育農家の経営を圧迫しない程度に推移してほしい」と願う。懸案は豚コレラや鳥インフルエンザ、口蹄疫など家畜伝染病の発生だろう。牛、豚、鶏肉とも産出額日本一とアピールしているだけにひとたび発生すれば打撃は大きく、防疫の徹底が求められる。

 「地の利」では、宮崎道に山之口スマートICが2016年度開通。都城志布志道路についても「就任前の4倍の速さで整備が進んでいる」と胸を張る。20年度末には計画の7割、21年度末には8割が開通するという。そのかいもあって企業立地は就任7年で84件に上り、都城IC近くの高城町桜木地区では新たな工業団地の整備が進む。

 一部競技団体が立地に難色を示した山之口運動公園への県陸上競技場建設問題も決着。補正予算で事業費が付き、整備は具体化する。南海トラフ巨大地震を見据えた沿岸被災地への後方支援拠点としても機能する。

 ふるさと納税を中心とする対外的なPR戦略は際立ち、池田市政最大の成功事例と言ってよい。「肉」と「焼酎」を軸に据えた展開は巧みで、地場産品の高付加価値化と販路開拓への貢献は大きい。ひも付きではない巨額の「外貨」を稼いだ実績に異を唱える人は少ないだろう。

 中心市街地活性化では、市立図書館が年間100万人超を集め、まちなか広場ではマルシェなどを随時開くなど誘客に注力してきた。商店街は新規出店が閉店を上回り好転の兆しがあり、後はどう回遊性を持たせられるか。ホテル建設計画の推移も注目される。

 南九州の拠点都市の確立を掲げる池田市長。議会との関係は良好で市民の支持もあり、大きな穴は見当たらない。ただ、旧4町をはじめとする中山間地の衰退に歯止めはかからない。自立の道を歩む三股町の人口増を横目に見て「合併しても何一ついいことがなかった」と嘆く住民は多い。選択と集中の時代だが、政治の要諦である最大多数の最大幸福を目指してほしい。

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