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臨時国会不祥事続き

2019年12月11日
◆長期政権 モラル崩壊深刻◆

 つい先日、「一人一人の政治家が自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ。今後とも自ら説明責任を果たしていくと考えている」と答弁したのは、ほかならぬ安倍晋三首相である。それが口先だけだったと、非難されても仕方あるまい。

 臨時国会が閉幕した。菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相が公選法違反疑惑で辞任したのに加え、首相主催の「桜を見る会」の公私混同問題が表面化。政権の不祥事が大きなテーマとなった。だが、当事者たちは、自民、公明両党の圧倒的な数の力に守られ、十分な説明から逃げ続けた。安倍首相はいま、自身の答弁を実践したと、とても胸を張れないだろう。

 国会議員の身分に関わる疑惑が発覚しながら、菅原、河井両氏はその後、国会にも出席しなかった。首相が「任命責任」を痛感すると口にするならば、本人に説明するよう指導するのが自民党総裁としての責務ではないのか。”雲隠れ”の容認は、責任放棄と言わざるを得ない。

 「桜を見る会」は首相に直接降りかかった問題だ。公的行事の私物化批判に加え、預託商法などを展開し破綻した「ジャパンライフ」の元会長が招待され、宣伝に使っていたことや、反社会的勢力が参加した疑いまで浮上する。野党の資料要求の当日に名簿が廃棄されたこと自体も不自然であるし、バックアップデータが残っていた今年5月に、政府側が「既に破棄した」と平然と答弁していたことも、疑惑に拍車を掛ける。

 本来ならば、首相自身が疑念を晴らそうと努力する場面だ。しかし、名簿をできる限り復元するための、聞き取り調査などを指示もしない。後援会の前夜祭の費用問題も、ホテル側に明細書の発行も求めない。国会を閉じ、時間が経過すれば忘れられるとのおごりがにじむ。

 政権のスキャンダルに目を奪われがちだが、2020年度から始まる大学入学共通テストを巡る混乱は、教育行政の大失態と言える。英語民間検定試験導入を見送り、国語と数学の記述式問題も、先送りの方向で最終調整することになった。

 50万人超の受験生の不安や疑問を払拭(ふっしょく)せず、導入ありきで制度設計し、本番1年前まで振り回した罪は重い。にもかかわらず、政府、与党内で責任を問う動きがないのは不思議だ。

 国会が行政監視機能を発揮するには、政府側の誠実な対応が不可欠である。とりわけ、政治や行政の公平・公正さに疑義が生じれば、まず資料を提出し、説明を尽くすのが筋である。逃げる政権、隠す官僚という姿は一段と進行、政治のモラルは崩壊した。長期政権の弊害は深刻であるとの自覚が必要だ。

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