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レジ袋の有料化

2019年12月6日
◆バイオ素材例外は問題ある◆

 政府が、プラスチック製レジ袋の無料配布を禁止する「全国一律有料化」を来年7月1日から導入することを決め、その基本的考え方について一般からの意見を求めている。諸外国に比べて大きく遅れている日本の使い捨てプラスチックごみ対策が一歩、前進したといえる。

 有料化についての案は「消費者のライフスタイル変革を促すべく、あらゆるプラスチック製買い物袋について有料化」し、「過剰な使用を抑制していくことを基本とする」としている。

 その一方で案は、バイオマスプラスチック配合率が25%以上の袋のほか、厚さ0・05ミリ以上で繰り返し使用が可能な袋、海洋生分解性プラスチック製の袋という3種類を、有料化の対象外とすることを明記した。

 こうした例外を設けることには問題がある。プラスチックの使い捨てを根本から見直すことの重要性を考えれば、例外は認めるべきではない。有料化の在り方を議論した経済産業省と環境省の委員会の中で、コンビニ業界が強く求めていたもので、業界配慮であることは明白だ。

 だが、25%以上、バイオ素材を含むにしても、多くの場合、残りの75%はこれまでと同様、石油由来のプラスチックである。石油資源の節約にはなるが、環境中に漏れ出た時の影響は、石油由来のレジ袋とさして変わらない。逆に、環境中で破壊されることでできる微粒子「マイクロプラスチック」になりやすいとの指摘もある。

 国連は、バイオ素材を一定量含む製品が、100%石油由来であることを前提に組み立てられている既存のリサイクルシステムに入ることは、リサイクルの手間や効率を考えたら望ましいことではないとしている。英国などの対策先進国では、この種の製品を代替品と認めるべきではない、との議論が進んでいるほどだ。

 例外となる袋と、有料となる袋を、信頼性を持って検査、区別し、一般消費者が見分けられるようにすることにも多くの手間がかかる。小売業者の中にも、明快な制度とするべきだとして、例外を設けることに反対する意見がある。プラスチック製品の使い捨てを減らし、ライフスタイル変革に資するという制度の精神に照らせば、多くの例外を設けた複雑な制度とすることはおかしい。

 レジ袋有料化は2005~06年の議論で導入が決まりかけたが、コンビニ業界などの強い反対で見送られた経緯がある。この結果、安易な無料配布が続いたことが、レジ袋による海洋や環境汚染が深刻化したことの一因だ。一部業界への配慮から、対策を遅らせるという愚行を繰り返してはならない。

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