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2閣僚辞任

2019年11月8日
◆首相は責任の自覚乏しい◆

 公選法違反の疑惑が指摘された2人の重要閣僚の辞任を受けて、衆院予算委員会は集中審議を実施した。

 安倍晋三首相は「任命した者として責任を痛感している」と述べたが、具体的な責任の取り方については「行政を前に進めることに全力を尽くし、国民への責任を果たしていく」と答弁しただけで、2人の任命についても「適材適所」を強調した。

 菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相は、指摘された疑惑や辞任の理由に関して国会で説明していない。にもかかわらず首相は「今後、自ら説明責任を果たしていくと考える」と述べた。まるで人ごとの対応だ。

 菅原前経産相は選挙区内の有権者に香典を渡したことが、河井前法相は7月の参院選で当選した妻の公選法違反と、自らも有権者に贈答品を贈った疑惑が指摘されている。捜査当局が厳正に捜査するのは当然だろう。公選法に触れるならば、閣僚の辞任にとどまらず、衆院議員も辞職すべき事案ではないか。

 安倍首相は自民党総裁でもある。両氏に進退のけじめをつけさせるのは党の最高責任者の責務だ。首相の姿勢は内閣と党の指導者としての責任の自覚を欠いていると言わざるを得ない。

 第2次安倍内閣での閣僚の辞任は10人に上る。そのほとんどがカネに絡む問題や失言によるものだ。そのたびに安倍首相は「任命責任は私にある」と繰り返すが、本当に反省しているのか。特に今回は「安定と挑戦」を掲げた9月の内閣改造から2カ月足らずでの相次ぐ辞任だ。それだけ深刻な事態であるのに、安倍首相は「内閣、与野党にかかわらず、一人一人の政治家が自ら襟を正すべきだ」と、野党議員も含める一般論でかわそうとした。

 菅原前経産相辞任直後の共同通信の世論調査でも内閣支持率が54・1%と一定の水準を維持していることが、首相の強気の背景にあるのかもしれない。だが理由のトップは「ほかに適当な人がいない」である。

 首相が信頼回復に挙げる「行政の推進」でもつまずきがあった。大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入見送りだ。集中審議で、野党は経緯をただすとともに、受験生に向けて「身の丈に合わせて」と発言した萩生田光一文部科学相を「不適任だ」と追及した。

 英語試験導入が抱える地域間や経済的な格差の問題は、「教育の機会均等」という教育行政の基本をなおざりにした政策決定の証左だ。民間活用という看板の下で、なぜ公平性を確保すべき入試制度の根幹がゆがめられようとしたのか。真摯(しんし)な説明と情報公開による政策決定の透明化が不可欠だ。

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