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台風19号被害

2019年10月17日
◆想定超える猛威に備えよ◆

 台風19号は伊豆半島に上陸、猛烈な雨を降らせながら東海、関東、東北と列島を縦断した。雨量は想定を超え、各地で河川の急激な増水に耐えきれず、堤防が同時多発的に決壊。堤防が壊れなくても水はあふれ、濁流が住宅地や農地に押し寄せた。家や車が次々とのまれ、多くの犠牲者を出した。

 停電や断水も続き、被害の全容はつかめていない。気象庁は台風上陸3日前の9日、異例の早さで記者会見し「早めの対策、避難」を呼び掛けた。11日にも臨時の会見を開き、犠牲者が1200人を超えた1958年の狩野川台風に匹敵する大雨になる恐れがあると最大級の警戒を訴えた。

 12日夜に上陸すると、13日にかけて多くの地域で降雨量の記録は塗り替えられていった。「数十年に1度の雨量」が想定され、重大な災害の恐れが著しく高まっているとする5段階ある警戒レベルで最高の5に当たる「大雨特別警報」が気象庁から13都県に発令された。昨年7月の西日本豪雨における11府県を上回り、過去最多となった。

 近年、地球温暖化の影響もあって台風の勢力は強まり、雨量も増大しているとされる。今回の台風はこれまでの想定が通用しないことを示したともいえ、国や自治体は治水対策はもちろん、警報・避難指示の発信なども含め、防災・減災を再構築する必要があろう。

 台風19号は南鳥島近海で6日発生。海面水温が30度前後のマリアナ諸島付近を通過しながら、エネルギー源となる水蒸気を大量に取り込み「大型で猛烈な台風」に発達した。普通なら北上して水温が低い海域に入ると勢力は弱まるが、日本近海の海水温は平年より1~2度高い27~28度。このため、勢力を大きく落とすことなく上陸した。

 本州の半分ほどをすっぽり覆うような大きく分厚い雨雲を伴い、降り続いた雨で、あちこちで河川があっという間に増水。堤防の決壊などで氾濫が相次いだ。これが台風19号被害の特徴だ。国土交通省などによると、宮城、福島両県内の阿武隈川や新潟県内の矢代川なども含め、7県の59河川90カ所で堤防決壊が確認されている。

 従来の想定を超える雨量の増大にどう対応するかが問われている。200人以上が犠牲になった西日本豪雨をはじめ、2017年に死者・行方不明者が40人以上となった九州北部の豪雨、15年の関東・東北豪雨と、水害で多くの命が失われた。

 数十年に1度といわれた重大な災害の頻度は増している。大雨の被害想定や避難の手順、避難所の開設、高齢者ら災害弱者の避難計画などを抜本的に見直す時期に来ている。

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