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あす投票

2019年7月20日
◆地域の将来見据える1日だ◆

 21日、参院選が投開票される。今回の参院選は、選挙権年齢が18歳に引き下げられてから3回目の国政選挙だ。若者の政治、選挙離れが進むが、今、重要な時期にさしかかっているのは間違いない。消費税増税など暮らしに密着した問題もあれば、改憲やエネルギー対策など国の将来にかかわる岐路にも立つからだ。

 次代を担う若者たち、そして有権者の皆さんへ。山積する課題の中から自分ならではの争点を選び出そう。情報を集めて判断し、願いを1票に込めてほしい。考えが全て合致するようなベストな候補者はいなくてもベターはある。投票所へ行かないというワーストな選択肢だけは避けるべきだ。

若者直結の課題多い

 前回2016年の参院選で18歳選挙権が初めて適用され、宮崎選挙区では県内18、19歳の有権者約2万2300人が加わったが、投票率は49・76%と低迷した。

 若者たちの政治離れについて、大阪府立大の工藤宏司准教授(社会学)がこう指摘していた(17日付本紙)。学生たちは決して政治に無関心ではなく、むしろ「どうせ投票しても世の中は変わらない」という諦念と、「正しい投票をしなければ」という生真面目さが同居しているのだという。

 先の国会前半では、厚生労働省の統計不正、森友・加計両学園問題の核心解明が焦点になったが、闇のままで終わった。終盤は、老後に約2千万円の蓄えが必要と指摘した金融審議会の報告書に端を発した年金問題が浮上し、政府や与党には逃げの姿勢が目立った。

 議論を深められない国会のありように、失望感が広がるのもやむを得ない。そんな政治を変えたい、真の論戦を望みたいと思うなら、投票に行かない若者を非難するのではなく、「ともに地域の将来を考えよう」と声を掛けてほしい。若者の未来に直結する政策課題は少なくない。

大学等進学率に格差

 例えば、各党が公約に掲げる教育の負担軽減策。支援は近年拡大されつつあるものの、依然として大学進学を諦めたり、就職後に返済に苦労したりする学生は多い。県内高校卒業者の大学等進学率は46・0%で全国平均54・7%と差がある。そもそも日本の教育に対する公的支出が他の先進国に比べて極めて低いのも問題だ。

 宮崎日日新聞社が14~16日に実施した世論調査では、30代以下の79・0%が公的年金制度を「信頼できない」と返答。年金制度や先行きに対する若年層の不安は払拭(ふっしょく)できていない。将来世代に寄り添い、彼らの豊かな生活を見通せる道筋について関心を高めたい。

 有権者は将来の安心を手にするため、政治家の発する言葉やたたずまいをシビアに見てほしい。美辞麗句に惑わされず、根拠となる情報開示への姿勢も判断材料になるだろう。あす投票日は、一人一人が行動を起こす日だ。

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