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地方創生

2019年7月18日
◆一極集中打破する道筋示せ◆

 東京一極集中を是正して地方に活力をもたらそうと、安倍政権が2014年に打ち出したのが「地方創生」だ。看板政策のキーワードとしては定着している。しかし、その成果は限定的で、縮みゆく地方に歯止めが利いていない。

 選挙戦はもう終盤だ。地域の維持に腐心する選挙区ほど、一極集中の打破と地域活性化に対する政党や候補者の思いが声高になっていくだろう。その本気度と実現の道筋をしっかり見極めたい。

転出入均衡は絶望的

 各党とも地域活性化策を公約に盛り込んだ。自民党は、地方の若者の起業・就職支援などに加え、農林水産業や観光の振興も地方創生枠とした。公明党は年間4千万人を見込む外国人観光客を「地方創生の切り札に」と訴えた。与党はおおむね総花的である。

 野党も濃淡はあってもそれぞれの切り口で地方のありように言及しているが、地方自治体への財政支援などでは既視感もある。憲法、安保、年金など対与党を意識した他の争点にかすみがちだ。

 政府は、本年度までの5カ年計画で、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)の転出と転入の人数を20年に均衡させる目標を設定。省庁移転や地方大学の活性化を掲げた。産業振興や企業誘致を交付金で支援し、東京23区から本社機能を移す企業の税を優遇する。

 だが、一極集中はむしろ加速している。昨年の東京圏への転入者は転出者を約14万人も上回った。若者と女性を中心に前年より約1万4千人増えている。

 手詰まり感も漂う中、第2期となる20~24年度の方向性を示す「まち・ひと・しごと創生基本方針」が6月に決まった。引き続き東京一極集中の是正に重点を置くとしたが、さすがに達成が絶望視される20年の転出入均衡は旗を降ろした。

自立促す条件整備を

 本県の6月1日現在の推計人口は107万3054人で、前年同期比7968人減。30年間で10万人以上が減り、人口流出の波にはあらがえない。宮崎日日新聞が宮崎選挙区の立候補者3人に行った100問アンケートで、「地方創生により東京一極集中の是正は進められている」の質問に対し、自民現職は「どちらともいえない」、新人2人はいずれも「そうは思わない」と回答している。政策論争をしっかりと聞きたい。

 「まち・ひと・しごと創生基本方針」における新機軸は「関係人口」だ。兼業や副業を望む都市住民と、人手不足に悩む地方の企業を結び付け、将来的に移住の増大を図るという。

 住民をつなぎ留め、移住者を呼び込むためには、新たな産業などで「稼ぎ」を生み出して都市部との所得格差を埋め、行政サービスを充実させる必要がある。国の本来の役割は、そうした各地の自立を助ける地方分権や税源移譲などの条件整備だ。街の未来像を共有できる人材を選択したい。

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