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食品ロス削減

2019年6月15日
◆消費者の意識変革が最重要◆


 まだ食べられる食品が大量に廃棄される社会の見直し機運が高まってきた。食べ残しなど「食品ロス」を2030年度までに半減する目標が設定され、国会では食品ロス削減推進法が成立。ただ具体策は10月を食品ロス削減月間とすることや、国や地方自治体が削減計画を作ることが中心だ。目標の達成には、消費者が意識や行動を変えることが最も重要である。


宴会や外食で工夫を


 食品ロスは16年度に643万トン発生していると推計されている。1人当たり毎日お茶わん1杯分、世界の年間食糧援助量の1・7倍という計算だ。内訳をみると、家庭からが291万トンで食べ残しや賞味期限切れの廃棄が多い。一方、食品製造業や小売業、外食産業など事業系からは352万トンあり、規格外品や返品、売れ残りの廃棄などが当てはまる。


 家庭からのロスを減らすには、食べられずに捨てる食材をなくすため冷蔵庫などにあるものをチェックしながら賢く買い物することや、野菜を調理する際に皮を厚くむき過ぎないといった細かな気配りが大切だ。賞味期限切れの前だが食べる予定がない食材を「フードバンク」を通じて、生活の苦しい人らへの支援に回すのも有効だ。簡単に届けられる仕組みづくりを自治体には考えてほしい。


 仕事先の宴会や家族の外食でも工夫しよう。例えば「3010(サンマルイチマル)運動」が始まっている。宴会の最初30分間は料理を楽しみ、お開きの10分前には席に戻って残ったものを食べ切ることを実践したい。食べ残しは店の協力も得て、安全なものは持ち帰るようにしよう。


 事業系のロスを減らすには、賞味期限の扱いが重要となる。賞味期限が十分あるものを消費者に買ってもらおうと、期限が残っていても小売店が返品する商習慣がある。これが大量廃棄の一因となっている。見直すためには、期限切れに近いものから購入するといった消費行動の変更が待たれる。


賞味期限意識強すぎ


 コンビニ業界は、消費期限が近づいた弁当などの実質値下げに動きだした。スーパーなどが行う閉店時間近くの安売りと同じことをコンビニでも始める。実質値下げは、売れ残りを廃棄物として処理するコンビニ側や自治体のコストを考えれば当然だと言える。


 レストランでは急なキャンセルで食材が無駄になるケースもある。店舗も売れ残りは出したくない。価格を下げて売り切るため、お客を集めるスマートフォンのアプリも登場している。リアルタイムの情報が入手できるだけに、タイミングが合えば協力したい。


 日本人は「もったいない」の気持ちがあるとされてきたが、近年は賞味期限に対する崇拝が強すぎる。期限が過ぎたらすぐに食べられなくなるわけではない。消費する側の選択の変更、小さな工夫の積み重ねが社会を劇的に変えることを信じて行動しよう。

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