ホーム 社説

県内でもインフル猛威

2019年2月6日
◆施設での集団感染に用心を◆

 インフルエンザが猛威をふるっている。県内でも1月中旬から一気に患者が増え、警報レベルを超えた。今冬は重症例が多いのが特徴で、各地で高齢者施設での集団感染や死亡事例が相次いでいる。特に心配なのは抵抗力が弱い高齢者や低年齢の子どもたちだ。脳症や肺炎を合併することもあるので用心が必要だ。例年通りなら流行は3月ごろまで続く。ワクチン接種だけでなく、予防のため十分な栄養と睡眠、手洗いやうがい、マスク着用を心掛けたい。

高齢者中心に重症化

 厚生労働省によると、1月21~27日の1週間に報告されたインフルエンザ患者は1医療機関当たり57・09人。昨冬ピークの54・33人を上回り、集計が始まった1999年以降最多を記録。全都道府県で30人を超える「警報レベル」となった。本県の定点58医療機関からの報告数はこの1週間で3210人、1医療機関当たり55・34人と今季最多になった。

 全国的な過去3シーズンの患者推計値では、2015~16年冬季が約991万人、16~17年冬季が約1046万人、17~18年冬季が約1458万人と増加している。患者数の増大もさることながら、今冬は重症化が目立っており油断できない。全国500の医療機関から厚労省へ報告された入院患者数は1月27日までの累計で約1万2千人以上となり、これは昨冬同期比で約1・3倍の多さだ。

 ウイルスの型を調べると、脳症を起こしやすいとされるH1N1型と、高齢者を中心に重症化しやすいといわれるA香港型が同時拡大しており、流行を深刻化させている可能性がある。1月21~27日の1週間だけで全国で3205人が入院し、集中治療室や人工呼吸器、脳波検査などが必要なケースは延べ628人に上った。9歳以下の子どもが22・8%、70歳以上の高齢者が57・4%を占める。

即効性のある新薬も

 県内の公立小中高校では5日現在、学級閉鎖は11校、学年閉鎖は1校。1月以降で学級・学年閉鎖したのは計延べ198校となった。学校や幼稚園、保育園などでは年度末に向け、行事も多くなり運営に気をもむことだろう。感染拡大を予防するため、引き続き防御策を徹底してほしい。

 近年は治療薬の開発も進んでいる。昨年3月に発売されたゾフルーザは1回の服用で効果が早く出る新タイプの飲み薬。回復までの期間はタミフルなど既存薬と同程度だが、手軽で即効性があるため需要が高まっている。年明け以降の患者急増で、予定していた800万人分の供給量が逼迫(ひっぱく)しているという。

 だが、国立感染症研究所は1月、ゾフルーザを服用した横浜市の患者2人からこの薬への耐性を持つ変異ウイルスが検出されたと発表した。処方の前提になるのは、変異を繰り返し拡大を続けるウイルスに対する新薬の有効性、安全性をしっかりと見極めることだ。

このほかの記事

過去の記事(月別)