ホーム 社説

県北展望

2019年1月9日
◆地方政治の衰退に歯止めを◆

 県北の2019年は、旭化成陸上部の全日本実業団対抗駅伝3連覇という明るいニュースで幕を開けた。最多の優勝24回、うち平成の時代に計12回の優勝を重ねた。

 スポーツの活躍は住民へ元気と勇気を与える。加えて同部は単なる実業団チームではなく、圏域発展にも欠かせない存在だ。今年は2月10日に開催される「延岡西日本マラソン」、5月の「ゴールデンゲームズinのべおか」はともに同部があってこその大会。圏域の交流人口増大や教育振興など、さまざまな分野に波及効果をもたらしている。

地域資源生かす時代

 平成は、全国市町村に対し1億円を交付した「ふるさと創生事業」に象徴されるように、地方が独自の発想で地域資源を生かしたまちづくりが求められた時代だったといえる。推進する原動力として、官民の“協働”というキーワードも定着した。

 その文脈で言えば、延岡市が推進するアスリートタウン構想は、旭化成陸上部や柔道部などを他にない地域資源と捉え、まちづくりに生かす取り組みだ。市民でつくる「NPO法人アスリートタウンのべおか」は、協働の核としてさまざまな競技の大会や合宿、選手を支える。平成に入って地域の宝に磨きをかけた事例といえる。

 県北は15年に世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」、16年の「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」と“世界ブランド”を二つ持つことができた。日向市はサーフタウン構想を打ち出している。今年4月には県が美郷町に「みやざき林業大学校」を開校する。新たな地方創生の動きを生みだし、その担い手を育てる契機となることを期待したい。

圏域の人口減少加速

 国立社会保障・人口問題研究所が昨年3月に出した地域別の将来推計人口によると、県北圏域は15年国勢調査時の人口23万5718人が、40年には16万7866人になるとされている。13年時に出された同推計より約1万3千人少なく、人口減少は加速するとの予測を突き付けられた。

 人口減に歯止めをかけ、地域資源に磨きをかける政治手腕が地方自治体には問われる。しかし最近の選挙を振り返ると懸念材料も多い。昨年1月の延岡市長選は、新たなトップを選ぶ選挙だったが、投票率は49・68%と振るわなかった。同5月にあった五ケ瀬町議補選では立候補者がおらず、欠員1のまま議会運営が続いている。

 県北の19年は、門川町議選(投開票2月24日)を皮切りに、統一地方選で県議選(同4月7日)、諸塚村長選、延岡、日向市、諸塚、椎葉村の議会選(同4月21日)が予定される。平成の30年間で一部の選挙を除き投票率の低下傾向は続いている。地方政治の衰退は地方創生の土壌を崩しかねない。衰退に歯止めをかける第一歩が、投票行動だ。

このほかの記事

過去の記事(月別)