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県内経済展望

2019年1月3日
◆革新的ビジネスモデル期待◆

 人口減少、少子高齢化、人手不足、若者流出、事業承継、キャッシュレス、消費税増税、スタートアップ、第5世代(5G)移動通信システム、五輪特需。経済記事等で頻繁に見掛ける言葉だ。昭和から平成に移った30年前のことをぼんやり思い起こせば、本県の現在と共通するものは若者流出や消費税増税といったところか。1989年はバブル景気の真っただ中にあり、財テクや地上げといった事象が取りざたされ、不動産に絶対的価値を置いた「土地神話」が信じられていた時期でもあった。

表面化しない倒産も

 バブル崩壊後、長期にわたって不況に見舞われた日本経済は2000年代に入り“実感なき”景気回復の時期が続いたが、08年のリーマン・ショックで再び不況へと逆戻りする。経済にも打撃を与えた東日本大震災を経験し、翌年からようやく景気が回復基調に転じ、その後も拡大は続いている。

 先月、政府の月例経済報告の関係閣僚会議で茂木敏充経済再生担当相は、2012年12月から続く景気拡大期間が18年12月で73カ月に達し戦後最長記録と並んだ可能性が高いと表明。今月で最長を更新しそうな情勢だ。一見、景気拡大は順調に見えるが生産年齢人口の減少は深刻で、労働力の需給がかみ合わない事態が急速に進む。県内の企業倒産件数は低い水準だが、表面化していない破綻も多いという。昨年末の日米株価の乱高下にも景気変調の兆しが見え隠れする。そんな中で平成が終わり新しい時代が始まる。本県経済はどのような道を進むのだろうか。

非現金決済どう普及

 大きな動きとしては10月の消費税率10%への引き上げだろう。14年、8%に引き上げられた際、直前までの駆け込み需要が家電や食品、日用品などにみられたが、その後の反動で著しく個人消費が押し下げられた。今回はキャッシュレス決済のポイント制度などの措置で家計の負担を和らげる対策が提案されているが、県内での消費効果は未知数だ。特に超高齢化が急速に進む本県では、非現金決済の普及も鍵だ。県内の経済専門家は「需要の先食いは起こる。経済対策終了後にいかに平準化できるかが重要」と指摘する。

 また、天皇の代替わりに伴い4月末から10連休が予定されている。訪日外国人客もそうだが、今回の場合は国内客を獲得する一大チャンスとも言える。観光消費のトレンドが「モノからコト」へと時間をぜいたくに使う形態に変わる中で、休日の多くを本県で過ごしてもらう仕掛けも欲しいところだ。

 傍らで人手不足や少子高齢化は加速する。経済専門家は「ピンチとチャンスの入り交じる年。そこでいかに革新を行っていくか」と話す。今年は宮崎駅西口再開発が始まり、20年に向け周辺では多様なビジネス展開も予想される。起業家の割合が高い本県で革新的なビジネスモデルが生まれることにも期待感を抱いている。

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