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児童クラブのニーズ増

2018年8月10日
◆民間施設の活用も考えたい◆

 共働きやひとり親家庭の小学生を放課後に預かる放課後児童クラブへのニーズが年々高まっている。少子化にもかかわらず利用希望児童数は増えており、クラブ設置数も増加。それでも待機児童は解消されず、県内全体で359人に上る(2017年5月1日時点)。さらに近年は発達障害児やグレーゾーンの児童への対応が迫られ、高い専門性が必要。支援員・指導員の資質向上、労働環境の改善といった課題にも直面している。本県は全国的に見ても共働き世帯が多い地域。量、質的ともに一層の拡充が求められる。

空き教室がなく苦慮

 県内の放課後児童クラブには249のクラスがあり、登録児童は1万804人。

 県内で待機児童が最多なのは宮崎市の251人。同市内のマンション造成が相次ぐ市街地が顕著で、空き教室がなく苦慮している状況だ。同市は本年度、従来にはない民設型の開所に向け準備を進め、19年度からは習い事などで利用しない児童の分の定員枠を有効活用し、特定の曜日に利用できるようにするなど改善策を練る。仮に学校敷地内が難しければ、敷地外の民間施設の活用も考えたい。民間団体のアイデアで新たな展開が見えるかもしれない。

 厚生労働省は19年度末までに30万人増の約122万人の受け皿を確保する目標を掲げるが、達成できるかは不透明だ。また、「放課後子ども総合プラン」で、類似している文部科学省の放課後子供教室と連携した「一体型」のモデルも示された。開設経緯や地域性から「実現は難しい」との声も聞かれ、今後さらに教育、福祉行政の緊密な意思疎通と協力体制が必要になることは間違いない。

指導員の負担減課題

 これまで県内市議会では、放課後児童クラブの整備や機能向上について再三取り上げられてきた。6月の宮崎市議会一般質問では「特に配慮の必要な発達障害児らが増え、指導員らの負担が増えている」として、男性市議が「指導員の加配を要請してもなかなか実現しなかった児童クラブもある。数も不足している。現状をしっかり見て対応してほしい」と要望した。

 全国学童保育連絡協議会(東京)は「多くの指導員が不安定な雇用にある。非正規で賃金が上がらず、勤続年数は1~3年が半数を占めている。安心して働き続ける条件が整っていない」と指摘する。子どもを見守る支援員・指導員の雇用の安定やモチベーションの維持が、子どもたちの生活の場に安全と安心を生む。早急に、支援員や指導員の働く場の環境改善が必要だろう。

 本県の共働き世帯は、全世帯数の52・1%で全国平均を上回る(17年の就業構造基本調査)。この夏休み、児童クラブに子どもを預け働く保護者も多いだろう。安心して働き続けるためにも、子どもが安全に過ごせる場づくりを一歩でも前に進めたい。

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