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スポーツ界の不祥事

2018年8月7日
◆組織統治の近代化を進めよ◆

 日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題、相撲界の暴力事件、日本レスリング協会のパワーハラスメント行為に続いて、日本ボクシング連盟に関する助成金の不正流用問題などが明らかになり、スポーツ界の不祥事が相次いでいる。いずれもガバナンス(組織統治)体制が機能不全に陥っていた実情が浮上。スポーツの組織運営に対し、かつてない厳しい視線が注がれている。

判定結果操る疑惑も

 かつて奈良県ボクシング連盟の会長を務めていた日本ボクシング連盟の山根明会長は公平で公正な試合を運営する責任を放棄し、審判に圧力をかけ、判定の結果を意のままに操った疑惑が持たれている。2年前の国体で、2度ダウンを喫するなど明らかに劣勢だった奈良県代表選手が判定勝ちしたのは、山根氏の指示によるものだったと指摘されている。

 ボクシングの都道府県連盟幹部や元選手ら300人を超える関係者がスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)に提出した告発状は、合わせて12項目の不正疑惑と不適切な財務処理を指摘する内容となっている。山根氏は2012年ロンドン五輪で金メダル選手を誕生させたと自らの手腕を強調し、連盟の規定を変更して「終身会長」のポストに就いたというから驚く。

 日大アメフット部の問題では、内田正人前監督が大学の人事担当常務理事だったことで、運動部全体を統括する「保健体育審議会」(保体審)を事実上牛耳る立場にあったと、第三者委員会は認定した。指導体制に対するガバナンスが欠如し、保体審が形骸化して内田氏の独裁を可能にしたとの指摘はあの重大反則行為の背景を言い得ている。

第三者の視点が必要

 ボクシング関係者の多くは、山根氏の独裁ぶりに我慢できなくなって告発状を提出した。今になって、不適格な人物を会長に選任してしまったと後悔し、同時に公正な組織運営の大切さを痛感しているのではないか。一部の幹部への権力集中を防ぐ民主的な組織を本来は自身で築いていなければならない。意思決定機関である理事会にボクシングと必ずしも直接的な関わりのない人物を外部理事として迎えるなど、この機会に近代化を進めるべきだ。

 スポーツの組織運営では、古い体質が払拭(ふっしょく)できず、勝利至上主義や厳しい上下関係が続いてきた。勝つためには、時には体罰もやむを得ないという悪弊がいまだに残っていないだろうか。一般社会の価値観が大きく変化してきた中で、スポーツ界の常識が取り残されているのではないか。

 こうした点からチェックするためにも、外部の第三者の存在と視点が必要だ。東京五輪・パラリンピックを2年後に控え、スポーツへの社会的関心は年々高まる。常識と高潔性を欠けば、チームも競技団体も容赦なく批判される。

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