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文科省汚職

2018年7月11日
◆私大との癒着にメス入れよ◆

 文部科学省の科学技術・学術政策局長が受託収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。東京医科大側から私立大支援事業の対象校に選ぶよう頼まれ、見返りに今年2月の入学試験で点数の加算により自分の息子を合格させてもらったという。現金授受はなかったが、「合格者の地位」を与えられたことが賄賂に当たると判断された。あからさまな行政の私物化が明らかになり、また信頼が大きく揺らいでいる。

天下りでも同じ構造

 文科省は昨年、人事課の職員やOBが関与した組織的な天下りあっせんが国家公務員法違反と認定され、大量の処分者を出したばかりだ。逮捕された局長は当時の官房長として監督責任を問われ、文書厳重注意処分を受けた。その後、学校法人・加計学園の獣医学部新設を巡り「行政がゆがめられた」との疑惑に火が付き、文科省は対応に追われた。そうした中で、息子を合格させるという私利私欲から汚職に手を染めた。公務員としての誇りや使命感はかけらも見られない。

 少子化で厳しい競争にさらされる私大と、私学助成などの権限を握る文科省との癒着の構造は天下り問題でも指摘されたが、きちんと解明されていない。放置したままでは、文科省が信頼を取り戻すことはかなわないだろう。

 問題の支援事業は2016年度に始まった。全国の私大から大学の看板となる研究の計画書が提出され、学識経験者の審査を経て対象校に選ばれると、文科省が研究費用を助成する。東京医科大は16年度は落選したが、17年度に選ばれ、1年分の助成金3500万円の交付を受けた。医科大側は選定を確実にするため、局長に便宜供与を依頼したとみられている。

パイプ確保にしのぎ

 少子化が進む中、大学の数は増え、私大はどこも経営が苦しい。予算と権限を持つ文科省とのパイプを確保しようとしのぎを削る。天下り問題も、大学の許認可や補助金の配分などを担当する高等教育局の元局長が退職後に早稲田大の教授に迎えられたことをきっかけに調査が始まり、違法な再就職が次々と出てきた。

 文科省は昨年3月に最終報告をまとめ、人事課職員やOBらが関与した国家公務員法違反計62件を確認したと公表。歴代事務次官3人を停職相当とするなど累計43人を処分した。ただ最終報告は、見返りとして補助金配分で手心を加えるなど有利な取り計らいがなかったかまでは踏み込まなかった。

 今回の事件では、東京医科大トップの理事長が受託収賄ほう助容疑で逮捕された医療コンサルティング会社元役員を通じて知り合った局長側に便宜供与を頼み、入試の不正にまで関わっていた疑いも指摘されている。癒着の根は深い。そこにメスを入れ、しっかり解明しない限り、文科省で組織立て直しの道筋をつけるのは難しいだろう。

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