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W杯日本健闘

2018年7月6日
◆次世代を勇気づける活躍だ◆

 これまでにないほど日本中が盛り上がった。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表が健闘した。決勝トーナメントに進み初のベスト8入りはならなかったが、強豪ベルギーに対し一時は2-0とリードした。この2週間、多くの国民が深夜から未明にかけてテレビの前で声援を送り、ベルギー戦は午前3時開始だったにもかかわらずテレビの平均視聴率が30・8%を示すなど、関心が高かった。

明快で積極的な攻め

 世界のサッカーエネルギーの源泉は今、欧州のクラブチームにある。世界中から優秀な選手が集まり、国際性と多様性に富んでいる。国内リーグだけでなく、大陸内の大会でしのぎを削ることで選手とクラブはレベルを上げる。W杯に出場した欧州の各国は、地理的な恩恵を受けて発展してきた。

 南米、アフリカ、北中米カリブ海、そして日本からも欧州のクラブに所属し、活躍する選手は後を絶たない。今大会の日本代表も、大半がいわゆる「欧州組」。欧州での活躍を夢見てJリーグから移籍した各選手は、確実に力を伸ばしている。日本がさらに力を伸ばしていくにはこの流れを止めてはいけないのだろう。

 世界各国のメディアが日本代表の健闘をたたえた。国際サッカー連盟(FIFA)ランク61位のチームがここまで活躍できた背景には何があるのだろう。

 4月に急きょ、ハリルホジッチ前監督を引き継いだ西野朗監督が選手に送り続けたメッセージは明快だった。強敵にひるむことなく戦おう、多少のリスクがあっても積極的に攻めようというものだった。実力で劣るチームは、まず守備を固めて失点を防ぎ、少ない好機を生かして辛勝するのが賢明な試合運びとされる。その点、西野監督の指示は冒険的に映った。

質の高さ世界も評価

 しかし、選手は指揮官の目指す方向に喜んで進んだ。正確なパスを交換して攻め上がり、シュートは相手ゴールの枠内をとらえた。世界は、日本のプレーの質の高さを評価した。

 平昌冬季五輪の閉幕後、日本のスポーツ界は自らの価値をおとしめる問題に直面した。レスリング五輪4連覇の伊調馨選手が日本レスリング協会の強化本部長だった元指導者からのパワーハラスメントによって、精神的苦痛を受け続けていたことが明らかになった。また、日本大学アメリカンフットボール部の前監督が定期戦で相手チームの中心選手を負傷させるよう選手に指示したことも明らかになった。

 陰湿な、負のイメージが広がっていただけに、今回のサッカー日本代表の健闘は明るく、楽しさにあふれたスポーツ本来の価値を呼び起こすことになった。日本のサッカー少年たちは国内外の選手の高度な技術と活躍に、目を輝かせ、胸躍らせたに違いない。次世代を勇気づける活躍だった。

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