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警察官の拳銃強奪

2018年6月30日
◆危機意識持ち対策強化せよ◆

 地域の安全と安心を託されている交番で警察官の拳銃が奪われ、その銃口が市民に向けられた。富山市の交番で男が警察官を刺し、奪った拳銃で近くの小学校正門前にいた建設会社の警備員に発砲。警察官と警備員が死亡した。男は小学校の敷地内で駆けつけた警察官に腹を撃たれ、身柄を確保された。一歩間違えば、子どもたちに危害が及んだ恐れもある。二度とあってはならないことだ。

訓練指示したばかり

 男はサバイバルナイフやダガーナイフのような刃物を所持。拳銃を狙い、計画的に交番を襲ったとみられている。

 警察庁によると、交番勤務などの警察官が拳銃を奪われる事件は2013年以降、6件起きている。警察庁は今年4月、全国の警察本部に、警察官の拳銃は常に狙われているとの危機意識を持ち警戒を徹底するよう指示。路上や交番で不意に襲われることも想定し、訓練を実施するよう求めたばかりだった。

 警察官の腰に拳銃をつなぐつりひもの強度を高めるといった対策も取られてきた。しかし、凶行を防ぐことはできなかった。容疑者の動機や襲撃の詳しい状況など事件の全容を解明し、交番勤務体制も含めた対策強化により、不安払拭(ふっしょく)を急いでもらいたい。

 「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」は「制服を着用して勤務するときは、けん銃を携帯する」とし「けん銃入れに納めて帯革に付け、右腰に着装する」「安全止革を撃鉄に掛けボタンで留め、ふたのボタンを掛ける」と細かく規定。撃つ場合には「事態の急迫の程度、周囲の状況その他の事情に応じ、必要な注意を払わなければならない」などとしている。

不足する交番の人手

 市民を守るための拳銃も、ひとたび悪意の第三者が手にすれば凶器となるため、厳重な管理下に置かれているが、警察官襲撃・拳銃強奪事件は何度も起きている。

 1982年10月、名古屋市で元消防士の男が愛知県警の警察官を車ではねて拳銃を奪い、殺人や強盗などを重ねた。83年に逮捕され、72年から計8人を殺害したとして2000年に死刑が執行された。1989年5月には東京都練馬区の派出所で、元自衛官の男が拳銃を奪おうとしてサバイバルナイフで警察官2人を刺殺した。最近も通報で現場に駆けつけた警察官が拳銃を奪われる事件があり、6件のうち3件で発砲されている。

 富山事件を踏まえ、警察庁は銃の着装器具を改良し、警察官本人以外は拳銃を抜きにくくする再発防止策を検討している。2020年ごろまでに改良する予定だったが、前倒しするという。

 全国には昨年4月現在で6256カ所の交番があり、一つの交番では通常2~3人の警察官らが交代勤務している。退職者を相談員として再雇用しているが、人手不足が常態化しているという。交番の勤務体制も検討課題だ。

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