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Jリーグ25周年

2018年6月27日
◆好環境生かし空白県脱却を◆

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグで日本代表が好発進。コロンビア、セネガルとの熱戦を経てリーグ突破に向け、期待が高まっている。今年はJリーグ創設から25周年。10クラブでスタートしたJリーグは1~3部の厚みを持ち、38都道府県の54クラブに拡大した。しかし残念ながら、本県は依然としてJリーグ空白県のままだ。

活発な地域貢献活動

 村井満チェアマンは5月、開幕前イベントで「この25年は全国に根を広げた。ここからは、その根を深く下ろしていく」と、地域密着の必要性と方針を示した。

 各クラブはホームタウンで社会貢献活動を続けてきた。それは世界に例を見ないほど活発だ。学校訪問、環境保全、障害者や高齢者らとスポーツをする活動など、昨年は1クラブ平均330回を超えた。また、地域の社会課題に取り組む団体と議論を重ね、障害者の就労支援やスタジアムでのマーチングバンド演奏など、ノウハウを地域のニーズに活用。「おらが町のおらがクラブ」に向け、新たな地域貢献の姿を模索する。

 九州でJリーグ加盟クラブがないのは本県のみ。現在、日本フットボールリーグ(JFL)のテゲバジャーロ宮崎、九州リーグのJFC宮崎が県内からJリーグ入りを目指して活動中だ。県サッカー協会の橋田和実会長は「地域に根差したプロチームがあれば、ジュニア育成の底上げや競技力向上になる。プロスポーツ文化の浸透、地域活性化にも貢献できる」と悲願達成に意欲を見せる。

課題はハード面整備

 Jリーグ昇格には「Jリーグ百年構想クラブ」の認定や競技成績、入場者数などさまざまな要件を満たすことが必要だが、中でも本県ではスタジアム確保が喫緊の課題だ。ライセンス要件は、スタジアムはメインスタンドにいす席があり収容人数5千人以上などを明記。同協会は1月、スタジアムの早期整備を求め、県と宮崎市に要望書を提出した。「コンサートやイベントも開催可能。集客拠点になる」としている。

 同協会によると、2017年度の登録選手数は子どもからシニアまで9460人。少子化で若年層は微減傾向だが、「未登録者を合わせると競技者の層は厚い」(橋田会長)。長年、プロ・アマのサッカーチームを受け入れてきたキャンプ実績もある。本県が培ってきた好環境を生かし、サッカーファンの掘り起こしとJリーグ昇格につなげたい。

 本県にはプロスポーツの成功例がまだない。先進地を羨望(せんぼう)するだけでなく、プロスポーツが根付く地域を共につくれるといい。地域住民が多様なスタイルでスポーツを楽しむ環境がもっと身近になれば、スポーツの枠を超え、地域のコミュニティーの活性化にまで効果が表れるだろう。豊かなスポーツ文化は、地域の活力と住民の幸福度の基盤になる。

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