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大阪北部地震

2018年6月20日
◆生活圏に潜む危険確認して◆

 大阪府北部を震源とした推定マグニチュード(M)6・1、最大震度6弱の地震は、われわれが住む街に普段は気付かない危険が潜んでいることを示した。備えを急がなければならない。今回の地震では人的被害のほか、停電や断水、ガスの供給停止に加え、鉄道の運転見合わせにより交通が混乱。都市のライフラインが震災に対して依然として脆弱(ぜいじゃく)であることがあらわになった。

倒壊多いブロック塀

 専門家は「M6クラスの地震は、どこでいつ起きてもおかしくない」という見解で一致している。既知の活断層は地図が公開されているが、活断層の有無にかかわらず、日本列島のどこであっても地震から逃れられない宿命にある。

 大阪府北部地震により、学校プールの外側でブロック塀が倒壊し、歩いていた小4女児が亡くなった。子どもを守るべき学校の施設で安全配慮が欠けていた。直ちに学校施設の総点検の指示がなされた。全国各地で当事者意識を持って取り組んでもらいたい。

 ブロック塀の危険性が知られるようになったのは40年前、1978(昭和53)年の宮城県沖地震だった。死者の半数以上がブロック塀倒壊の被害で、建築基準法が改正、強化される契機となった。阪神大震災や東日本大震災では倒れたブロックや塀が通行を阻み、被災住民が危険にさらされた。

 震度7の激しい揺れが2度発生した2016年の熊本地震では建物の耐震の重要性が指摘された。耐震基準は、震度6強から7に及ぶ大地震でも建物が倒壊、崩壊しないことを求めているが、震度7が繰り返されることは想定していなかった。2度目の揺れで多くの家が倒れ、人命が失われた。ブロック塀の倒壊でも1人が亡くなった。度重なる震災で日本の建物は確かに地震に強くなったが、とても十分とは言えない。

耐震補強で安心感を

 正しい知識を持ち、過去に学ばなければならない。自分が暮らし、働く地域にどのような震災が起き得るか。生活圏、移動経路のどこに危険があるか。想像力を最大限に働かせ、街を歩いてみてほしい。ブロック塀ばかりでなく、屋根瓦、建物の外壁、ガラス窓など、危うさが潜んでいる。

 自らが所有、管理する建物に危険を感じたら安全のため手を掛けたい。自治体の多くが耐震補強工事への補助金を予算化しているが利用は低調だ。建て替えが難しければ、専門家のチェックを受けて応急の補修を施せば次の震災で胸をなで下ろす結果になるかもしれない。そうした積み重ねが、安全な街並みづくりにつながる。

 各地の小中学校では防災教育の一環として、通学路や家の周りで、震災、水害などの際の危険箇所を調べる授業がある。日頃からどこが危ないかを意識しているかどうかが、とっさのときに生死を分ける可能性がある。大人も見習うべきだろう。

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