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宮崎、延岡の新市政

2018年2月6日
◆人口減少対策に果敢に挑め◆

 宮崎、延岡市長選をそれぞれ制した戸敷正氏、読谷山洋司氏の任期が6日、スタートする。3期目の戸敷氏は「2期8年で取り組んできた事業の仕上げ」、変革を訴えた読谷山氏は「安く暮らせる街を実現したい」と市政運営への意欲を語った。人口と財政の縮小、超高齢社会、農山村の衰退、公共インフラの老朽化など不可避の課題に対し、どんな知恵を絞り実行するか。県人口の約4割が集まる宮崎、県北の拠点都市延岡のトップリーダーの手腕が問われる。

持続的な活性必要

 経済のグローバル化により東京圏への一極集中が加速し、都市部が潤う代わりに地方はすっかり疲弊してしまった。首長の使命は、人口減少時代における持続可能な地域づくりと言えるだろう。地域の活力を取り戻す方策を、あの手この手で取り組んでいかなくてはならない。

 安倍政権が人口減少問題や地方活性化に取り組む「地方創生」を掲げたのは2014年。増田寛也元総務相を座長とする有識者会議が「人口減少が進めば半分の自治体が消滅する」と警鐘した時期だ。この看板政策は成果が乏しいまま、一億総活躍、女性活躍、働き方改革、人づくり革命など、矢継ぎ早に打ち出される新政策に取って代わった。「地方創生」は今や、安倍晋三首相の口の端にほとんど上らなくなった。

 そうした持続性に欠ける政策に惑わされず、両首長は地域の将来像を大局から見据え、果敢に施策を展開してほしい。読谷山氏も当選後の記者会見で「効果がすぐ出るもの、少し時間がかかるものがあるが、いずれもスタートダッシュをかけて、市民に早く実感を持ってもらえるようにしたい」としている。市民の側も近視眼的な見方に偏ることなく、任期4年を見守りたい。

協働の新たな姿示せ

 市民の「住みやすさ」を形作るのはどういうものだろう。豊かな自然環境、食糧や治安の安全・安心、雇用と所得の安定、支え合うコミュニティー、医療福祉の充実、次世代を守り育てる寛容な風土、産業創出のための地元企業や起業の支援…。人によって思い描くものはさまざまだろうが、逆に最大公約数的に見ればある程度絞られてもくる。

 地域の魅力が高まり、人々が「住みやすさ」を体感できるようになれば、その成果は結果として、合計特殊出生率や定住者増加などの数字に現れてくるだろう。

 ただ、山頂にたどりつくまでには幾つもの登山ルートがあるように、人々が「住みやすさ」を体感するまでには画一的な妙薬はない。多様な道筋がある。その根源は地域資源の発見と再検証、加えて市民との協働作業だ。両首長には、足と目と耳をフル稼働させ市民の生の声や思いに接する姿勢を貫いてほしい。市民は官へのお任せ主義を脱し、共に官民協働の新たな姿を示すことが重要になる。

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