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政治展望

2018年1月12日
◆安倍政権5年間総括したい◆

 第2次政権の発足から6年目に入った安倍晋三首相が秋の自民党総裁選で3選されるのか。それに代わる選択肢が示されるのか。2018年の日本の政治は、政権継続の是非が問われる総裁選が焦点となる。「安倍政治」を総括し、将来像を描く政策を熟考したい。

 首相が20年までの実現を目指す憲法改正の議論も重要な局面を迎える。19年4月末の天皇陛下の退位に向け、年内に新しい元号が公表される。準備を滞りなく進めたい。北朝鮮の核・ミサイル開発で緊張が続く朝鮮半島情勢への対応など、外交戦略も問われよう。

歴代最長の可能性も

 首相は総裁選を乗り切れば21年までの任期を得て、歴代最長となる可能性が視野に入る。ただし、その前提として必要なのは5年間の総括だ。

 大胆な金融緩和を基軸としたアベノミクスで経済指標は改善した。だが景気回復の実感はあるか。集団的自衛権行使を解禁した安全保障関連法や特定秘密保護法などの制定。対米重視の外交。森友・加計学園問題で指摘された長期政権のおごりという政治姿勢も含め、評価を明確にした上で、対抗軸を示す政策論戦が総裁選では求められる。

 現時点で石破茂元幹事長と野田聖子総務相が立候補の意欲を示している。岸田文雄政調会長は政権の姿勢にくぎも刺すが、慎重な構えだ。

 20年の東京五輪・パラリンピックが終われば、経済の減速が懸念され、25年には団塊の世代が後期高齢者となる本格的な超高齢社会に入る。持続可能な社会保障制度の構築や財政再建への取り組みは待ったなしだ。

中ロ両国と連携重要

 選択肢を示す責務が野党にもあるのは言うまでもない。本格的な国政選挙が予定されない今年、存在感を示せる場は国会での論戦に絞られる。野党が小党に分裂した中で、第1党の立憲民主党は他党との「数合わせ」を否定し、理念・政策の堅持を重視する。一方、民進党と希望の党は統一会派構想が模索される。19年の参院選につなげる政党の姿と政策を示せるのか。正念場となる。

 憲法改正を巡り、自民党は1月22日召集予定の通常国会で議論を加速させる構えだ。党の改憲案を提示した上で改憲項目を絞り込み、年内の国会発議を目指す。ただ昨年末の「論点整理」は、9条に関して2案の併記にとどまった。期限を区切った強引な議論では国民の理解は得られまい。

 外交分野では、ロシアと中国が焦点となる。首相はロシアのプーチン大統領が3月に再選されると見込み、5月にも訪ロし、北方領土問題を含む平和条約締結交渉を前進させたい考えだ。対中関係では、首相と習近平国家主席の相互訪問の実現を目指す。北朝鮮情勢を巡っても中ロ両国との対話は重要だ。対北朝鮮で連携が構築できるかが問われる。

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