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県南の未来

2018年1月6日
◆「3路」基盤に持続的発展を◆

 日南、串間市の県南地域は今年、三つの「路」に注目したい。

 一つ目は道路、中でも東九州自動車道だ。3月末までに日南北郷-日南東郷(9キロ)が開通予定。県南初の高速道であり、住民の悲願である。昨年12月には市民向けの工事現場説明会が開かれ、田畑の中を一直線に延びる道路に立ち、感慨も大きかったようだ。

「最大の難所」が貫通

 今回の区間はわずか9キロだが、以北の清武南-日南北郷(17・8キロ)も着実に整備が進む。軟弱な地盤のため最大の難所といわれていた芳ノ元トンネル(1880メートル)が昨年11月、約9年半の工期を経て貫通。宮崎市側への連結が見えてきた。一方で南に目をやると油津-串間-夏井(鹿児島県志布志市)は事業化のめどさえ立っていない。建設促進運動で住民が口にする「つながってこそ高速道」を胸に一層の取り組みが必要だ。

 県南の幹線道路である国道220号も忘れてはならない。昨年は大雨と台風による大規模土砂崩れのため、日南市宮浦で2度にわたって一時全面通行止めとなった。過疎高齢化の進む地方で、道路は通勤や通学など日々の暮らしはもとより住民の命にも関わる。昨年の災害はそのことと整備の必要性を再認識させた。

 二つ目の「路」は鉄路である。JR九州は3月のダイヤ改正に伴い日南線で減便を実施するほか、早朝に宮崎方面へ向かう便で運転区間を短縮。学生らに影響があるものと予想される。今後大幅な利用増加は厳しいかもしれないが、220号災害時には交通の代替手段として生活を支えるなど、なくてはならない社会基盤。鉄道維持へ地域で知恵を出し合いたい。

 最後は海路で油津港の話。昨年、同港へのクルーズ船寄港は26回(うち外国船23回)に上り、過去最多となった。だが最近は各地の港と競争が激化しており、寄港数確保には受け入れ態勢の充実が望まれる。世界最大クラス22万トン級の寄港を可能にする今の港湾整備が完了すれば大きな武器となる。

交流人口呼び込もう

 日南市は最近、将来へ希望を描かせる話題や取り組みが多い。「鵜戸」の国名勝指定、古民家を活用した飫肥の町並み再生、地方創生の先進事例として安倍晋三首相も取り上げた油津商店街再開発。2019年3月には合併10年を迎えるが、旧町の北郷地区では東九州道北郷インターチェンジの設置に合わせ、総合支所跡地に道の駅を建設する計画が進む。南郷地区では基幹産業であるカツオ漁を、観光資源や食文化としてブランド化する取り組みに力を入れる。また串間市では、中心市街地活性化策として道の駅建設計画が大いに議論されている。

 これらに期待するのは交流人口を呼び込み、地域に活力を生むことであり、三つの「路」はその実現のための基盤だ。真に目指すのはその先、県南地域の持続的な発展と市民の暮らしの安定である。

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