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宮崎市長選

2018年1月4日
◆縮小社会への対策聞きたい◆

 宮崎市は年明け早々、慌ただしい。21日に告示される市長選に向け、立候補を予定している現職と新人の3人が、正月から市内を走り回っている。のんびりした雰囲気を打ち消すように政策を熱く訴える姿が見られ、前哨戦からヒートアップしている。

 県全体人口の3分の1ほどを占め、行政機関や主要企業などが集中する宮崎市。多様な都市機能が集積しており、県都として県内の他の自治体をけん引する存在だ。県都にふさわしいまちづくりが求められる中、向こう4年間のリーダーの責任は重く、選挙の行方を注目したい。

減少スピードが加速

 宮崎市のみならず地方都市は、取り巻く社会・経済情勢の変化に伴い、さまざまな喫緊の課題に直面している。手をこまねいていては社会の土台は崩れ、市民生活や市政運営に大きな影響がもたらせられるのは明らかだ。

 人口減少は深刻だ。同市の人口は2013年をピークに減少に転じ、そのスピードは加速傾向にある。ゆっくり下り坂を下りていくようで、昨年4月には40万人を割り込んだ。「縮んでいく」社会が現実のものになっている。

 単に人口が減少しているだけではない。働き世代が減り、一方で高齢者の割合は増えている。人口構造がいびつになりつつある。地域経済や社会保障などへの深刻な影響を考えれば、30年先、50年先も不安を抱かず安心して暮らせる社会が持続できるのか心配だ。

 社会を支える若者たちが県外に流出するのも由々しいことだ。人手不足に拍車を掛けるばかりか、活力を低下させる要因になっている。ほかにも行財政改革、医療・福祉の充実、働く場の確保、防災対策など、豊かな社会を実現するための課題は多岐にわたる。

身の丈あった価値を

 昨年12月に開いた立候補予定の3人による座談会では、市が取り組むべき重要なテーマとして人口減少や地域活性化などが挙がった。「縮小社会」は初めて経験することであり、対策には総力を挙げて取り組まなければならないが、特効薬はない。

 もはや人口が増える可能性は低いことを踏まえれば、いかに縮小社会をしっかり描けるかがポイントだ。社会がしぼむことで、どのような問題が生じ、影響はどこまで拡大するのか。現状をきめ細かく分析し、将来をしっかり見据える必要がある。

 発想の転換も言うまでもないだろう。経済発展を重視したこれまでの物差しにとらわれることなく、身の丈にあった新たな価値を生み出さなければならない。足元を見れば、恵まれた環境、豊かな資源がある。ポテンシャルは他の都市に引けを取らない。

 ピンチの後にはチャンスがある。厳しい、深刻な状況の時ほど知恵が出る。未来に希望が持てるまちであり続けるため、政策論争が深まることを期待したい。

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