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衆院選公示

2017年10月11日
◆本県再生への道筋聞きたい◆

 衆院選が公示された。唐突といえる臨時国会の冒頭解散から政治状況は慌ただしい展開をみせた。新党が結成され、それに伴う離合集散。一連のドタバタ劇は政治を分かりにくくし、いまだに何がどうなっているのか理解できない有権者もいるだろう。

 野党再編で、当初予想されていた対決の構図は一変した。自民、公明の与党に対し、政権交代を訴える希望の党と日本維新の会、それに共産と立憲民主党、社民両党が挑むという「3極」を中心にした戦いになった。混沌(こんとん)とした中での政権選択選挙だ。

野党再編大きく影響

 憲法改正、消費税増税、原発政策など対立軸は多いが、最大の争点は「安倍政治」の継続の是非である。5年近くにわたる安倍政治だが、「1強体制」の下で政権・国会運営にはおごりや緩みが顕在化しており、有権者がどう審判を下すのか注目したい。

 本県3選挙区には9人が立候補を届け出た。3議席を独占している自民党前職に、1、3区は希望の党と共産党、2区は共産党、諸派の新人で争われる。今回は民進、社民党は候補者を擁立できなかった。従来の国政選挙には見られなかったことで、野党再編の波をもろにかぶった形だ。

 候補者には国政の重要なテーマはさることながら、「地方」が抱えるさまざまな問題に対する考えを訴えてほしい。都市部への人、モノの流れは容易に止まりそうになく、あらゆる場面において格差が感じられる。

 県内を歩くと、よく分かる。人口減少に歯止めがかからず、若者たちは県外へ出て行く。深刻な人手不足は地域を疲弊させ、体力を奪う。商店街ではシャッターを下ろした店舗が並び、住宅地では空き家が目立っている。

 このように人口減少が経済の停滞を招き、それがさらなる人口減少へと向かう。悪循環と言うしかない。これまでも地方再生は声高に叫ばれ、さまざまな活性化策が打ち出されてきたが、決め手を欠いているのが実態だ。

長期的な将来像描け

 衆院選は国政のかじ取りを決める選挙だが、今回はこの国の将来に目を向ける機会として向き合いたい。どうすれば地方の力が生かせられるのか。どうすれば地方の視点を反映させられるのか。頭をひねって考えなければならないことは山ほどある。

 地方再生に特効薬はない。候補者は本県の窮状を直視して、しっかり将来図を描いてもらいたい。それには多角的で、長期的な見方が必要だ。都会のコピーは見透かされる。有権者も候補者の言葉に真(しん)摯(し)に耳を澄まして、1票を投じてほしい。

 18歳以上が参加する初めての衆院選でもある。若者たちは投票を通して自分の古里を見つめ直すことになるだろう。22日の投票日に向け、論戦が深まっていくことを期待したい。

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