ホーム 社説

民進党低迷

2017年7月13日
◆方針あいまいでは崩壊する◆

 民進党の自壊現象が止まらない。学校法人「加計学園」問題や稲田朋美防衛相の失言、自民党の若手衆院議員の不祥事など数々の「敵失」がありながら民進党は都議選で、告示前7議席にまで落ち込んでいた議席をさらに減らして5議席にとどまった。

 続投を表明した蓮舫代表は、この結果を総括するため、地域ごとに所属議員と意見交換する「ブロック会議」を11日から順次、開催しはじめた。

都議選惨敗の総括を

 しかし、総括を前に国政選挙での共産党との協力を敗因と見る政調会長代理の藤末健三参院議員が離党届を提出、さらに横山博幸衆院議員が離党検討を表明した。また若手議員らから体制刷新を求められた野田佳彦幹事長が、辞任の意向を周辺に漏らしていることが判明した。

 発信力と知名度で党勢回復を期待され昨年9月に代表に就いた蓮舫氏の求心力低下は今年4月から顕著になっていた。

 次期衆院選での共産党との選挙協力は受け入れられないとして長島昭久衆院議員が離党、直後には代表代行を務めていた細野豪志衆院議員が憲法論議への対応を批判して辞任した。

 都議選でも当初、36人を予定していた公認候補も次々に離党、23人まで減少。最大の支持母体である連合が他党の公認候補を支援するケースもあった。決戦前に陣営が総崩れとなっていたのだ。

 共産党は議席を17から19に伸ばしている。昨年7月の参院選以来続く共産党との協力は民進党の政策論議の幅を狭くしている。この事実を直視して総括を行い、今後の方針を明確にしなければ、まだ個別の離党や役員辞任にとどまっている自壊現象はいずれ全体的な崩壊に向かうことになる。

新党の動きに動揺も

 都議選で惨敗を喫したのは民進党と自民党である。自民党は現有議席57から過去最低の23にまで激減し、都議会第1党の座から転落した。

 勝利したのは議席を55に激増させた、小池百合子知事率いる都民ファーストの会だった。公明党が公認候補全員を当選させたのも小池氏と連携関係にあったからだ。

 つまり都議選では、国政の与野党第1党が政権を争う二大政党制が崩れ、都民ファーストという第三極が政権批判票の受け皿となったのだ。

 これは民進党の前身である民主党の政権が迷走する一方、野党第1党だった自民党も存在感を示せず、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会に期待が集まり、次期衆院選で躍進が予想されていた時の状況に近い。

 今の民進党には党勢を回復する暁光は期待できない。小池氏と近い若狭勝衆院議員が国政政党を立ち上げる意向を表明、民進党内は浮足立っている。分裂を伴う「解党的出直し」を覚悟しなければならない。

このほかの記事

過去の記事(月別)