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横行する違法漁業

2017年6月14日
◆根絶へ強力な法制度整備を◆

 資源量が極端に減り、絶滅危惧種とされるまでになった太平洋クロマグロの規制を無視した漁獲が、国内で相次いで発覚した。このほか、ウナギの稚魚「シラスウナギ」やナマコ、アワビなどの密漁の摘発も多く、その数は増加傾向にあるとされている。

 法律や規制を無視する漁業は「違法・無報告・無規制(IUU)漁業」と呼ばれ、その根絶は国際的に大きな課題。日本はIUU防止のための国連食糧農業機関(FAO)の国際協定を先月、批准した。水産物の大消費国、主要漁業国として、IUU漁業の根絶に一層の力を入れねばならない。

国際的問題に発展も

 国内のクロマグロの漁獲量について水産庁は国際資源管理機関の中西部太平洋まぐろ類委員会での合意に基づいて、30キロ未満の未成魚の漁獲枠を4007トン以内とするなどの漁獲規制を導入、海域や漁法ごとに枠を設定して漁業者に順守を求めていた。

 だが昨年、長崎県で許可を得ていない漁業者による漁獲が、三重県では水産庁の漁業自粛要請を無視した操業が横行していたことが発覚。その後の調査で静岡、和歌山など延べ12県で、無許可漁業や、漁獲量の無報告などがあったことが分かった。その量は計132トンを超える。マグロ漁関係者によれば、これは氷山の一角という。

 IUUマグロ漁業が一因となって今年の未成魚の漁獲は定められた枠を守ることができず、超過分を来年の漁獲量から差し引くことになった。太平洋クロマグロの最大の漁獲国である日本の資源管理の不十分さには各国から厳しい目が向けられており、今回の日本のクロマグロIUUが、国際的な問題となる可能性もある。

 IUU漁業の横行は日本だけではない。FAOによると、世界のIUUによる漁獲量は大体で年間2600万トンに上る。金額では最大235億ドル(約2兆6千億円)にもなり、1兆5千億円規模の日本の年間漁業生産額よりも多い。

自主的な規制に限界

 FAO加盟国はIUU根絶のため「違法漁業防止寄港国措置協定」という国際協定をまとめ、欧州連合(EU)や米国の批准によって昨年、発効した。日本は先月ようやく批准にこぎ着けた。

 日本で密漁が横行するのは、多くの場合に漁業規制や漁獲量の報告が漁業者の自主的な取り組みに任せられており、密漁が発覚したとしても罰金などの罰則が軽いことが一因だと指摘されている。

 国内の漁業者による密漁から、その水産物の輸出、海外で違法に漁獲されたものが日本の市場に持ち込まれることなど、日本の水産物市場が抱えるIUUのリスクは非常に大きく、それに対応した法制度は不十分だ。

 協定批准を機に、欧米に引けを取らない強力な法制度を整備し、実行に移さないと「日本が国際的なIUU対策の効果を弱めている」との批判を浴びかねない。

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