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中国の一帯一路

2017年5月19日
◆戦略的に参加検討すべきだ◆

 中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際会議が北京で開かれ、習近平国家主席は開幕式の演説で「平和協力と相互利益」の重要性を強調した。

 一帯一路は中国から欧州までを陸と海のルートで結ぶ地域のインフラを整備し、経済圏を形成する構想だ。会議にはロシアのプーチン大統領ら29カ国の代表が参加、構想への支持を示した。

 安倍政権は「中国主導だから」と後ろ向きにならず、長期的な国益や経済のグローバル化を考慮し、シルクロードの東端国として、積極的な参加を検討するべきだ。

加盟国増すAIIB

 一帯一路は習氏が2013年に提唱し、国家ファンド「シルクロード基金」などを設立して準備を進めてきた。日本を抜いて米国に次ぐ世界第2の経済大国となった中国が「次の一手」として、国際社会で影響力の拡大を図る戦略的な経済・外交構想。習氏が国家目標に掲げる「中国の夢」(中華民族の偉大な復興)の実現に向けたステップだ。

 習氏は演説で「中国は平和共存5原則を基礎に一帯一路参加国との友好協力を発展させる」と平和主義を強調する一方、「多国間貿易体制を維持し、自由貿易圏の建設を推進しなければならない」と保護主義に傾くトランプ米政権をけん制した。

 習氏はまた、シルクロード基金への増資や政府系銀行を通じた融資などで総額780億元(約12兆8千億円)を拠出する方針を表明した。

 15年末、中国はインフラ投資の資金源となるアジアインフラ投資銀行(AIIB)を発足させた。加盟国・地域数は計77に増え、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回った。

平和主義へ誘導せよ

 日本はAIIBの組織運営や融資の審査体制への不安を理由に、米国と共に参加を見送ったが、最近、安倍政権内で参加論が再浮上してきた。中国が、政治的に対立する国に差別的な待遇を行うなどの恣意(しい)的な運営を行わないか、などの懸念がある。日本は戦略的に中国の懐に入り、公平なガバナンスを促すべきではないか。

 今会議に出席した自民党の二階俊博幹事長は会議を高く評価。一方で「国際社会全体が(利益を)享受できるようにすべきだ」として、一帯一路が世界に開かれたものであるよう訴えた。

 日中両国は東・南シナ海での対立などでぎくしゃくした関係を続けているが、日本は大局的な観点に立って一帯一路やAIIBへの参加を考える必要がある。

 中国の強引な海洋進出には懸念が残るが、一帯一路は中国が公約通りに平和主義を貫かなければ実現できまい。日本は中国と信頼関係を築き、中国を覇権主義でなく、平和主義の方へ誘導していくべきではないか。冷静で戦略的な対中政策が求められる。

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