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東京一極集中是正

2017年5月17日
◆地方の雇用創出策強化せよ◆

 東京一極集中の是正に関する政府の有識者会議は、東京23区で大学の定員増を認めないとする中間報告をまとめた。来年度予算に反映させるほか、法的な枠組みも検討するという。

 地方から大都市に移るタイミングは人生で二つある。一つは高校を卒業して進学や就職をする時、もう一つは大学を出て就職する時だ。都会に出る最大の要因は、地方に若者の好む仕事が乏しいためとされる。これに対し報告は、東京の大学側に学生数を増やさないよう求める抑制策にとどまった。

効果低い学生数上限

 少子化によって現在約120万人の18歳人口は今後、全国で急速に減っていく。その状況で東京の学生数に上限を設けたとしても、地方の若者の減少が止められないのは明らかである。

 報告にはいつから抑制するかも明記されず、具体的な方法も今後の検討として先送りされた。一極集中の是正をうたうのであれば、地方での雇用創出とセットになった実効性のある施策が不可欠だ。この程度の抑制策では政権の本気度を疑わざるをえない。

 地方創生を掲げる政府は、東京五輪を開く2020年には東京圏への転入者を抑え、反対に転出者を増やして「転入超過」を解消するとしている。目玉策として本社機能の移転を促す税制優遇などを導入した。

 だが、この2年間で移った企業はあまりなく、東京圏に本社を移す企業の数の方が大幅に上回った。16年の転入超過は11万7868人に上る。政府は目標を達成するため施策の上乗せを迫られているのが現状だ。

 だが報告には危機感が乏しい。地方での雇用創出策は、既存の取り組みを紹介し、官民で対策を強化すると述べている程度だ。

移住きっかけつくれ

 目標を達成するには、地方に雇用をさらに移すことが肝要だ。まず国が政府機関の移転を率先して進めるのは言うまでもない。

 企業の本社機能の移転は難しいとしても、職住近接の方が効率的な職種や東京になくても機能する職種についてはサテライトオフィスをつくり地方に移すことを促すべきである。

 地方の中核企業を伸ばすことも重要だ。経営者と学生との交流やインターンシップの機会を増やし、認知度を高めて優秀な人材を確保できるようにする。入社後は孤立しないよう複数企業の同世代の若者を集め、“同期入社”として交流したり、奨学金の返還を自治体が支援したりする例もある。

 東京の大学側は、サテライトキャンパスを地方に置くなど、東京と地方の学生の交流を活発化させてほしい。都会の学生が地方での生活を経験することで、地方移住の一つのきっかけとなる。

 地方大学の個性的な取り組みを後押しする施策も強化すべきだ。優秀な学生が集えば、新たな企業が生まれる可能性が広がる。

  

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