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熊本地震1年

2017年4月14日
◆受援計画を事前に策定せよ◆

 熊本地震から今日で1年。安倍政権は地元自治体の要請を待たず食料など必要な物資を送る「プッシュ型支援」を実施するなど積極的な対応を見せた。

 だが今の災害時の仕組みでは、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震といった桁違いの広域災害に対応できないのは明らかだ。この現実を見据えた上で、「防災省」の創設によって震災対応を抜本的に見直すといった、政治の本気のリーダーシップを期待する。

防災省の創設検討を

 プッシュ型支援については、行政に物資を配送するノウハウがなく当初は混乱も見られた。災害が起きた直後から専門の物流業者を活用する仕組みを整えておけば、もっとスムーズに届けることができただろう。

 ただ、広域災害が起きた場合は、他の地域から支援は期待できない。企業や家庭でも1週間分以上の物資の備蓄を標準としたい。

 熊本県益城町など小規模な自治体では、避難所の運営や建物の被害判定、仮設住宅の整備などに職員だけでは対応できなかった。熊本県や熊本市でも、受け入れた国や自治体職員との仕事の分担などで混乱があった。応援に来た職員に、どのような仕事をしてもらうのかなどを盛り込んだ「受援計画」をあらかじめ策定しておくことが有効だ。

 大規模な災害では、職員が少なく経験も乏しい市町村単位では対応が難しい。1995年の阪神大震災以降、米国の連邦緊急事態管理局(FEMA)を参考に、防災対応の中心となる国の機関を強化するようにいわれてきた。防災省の創設を検討すべき時期に来ているのではないか。

高齢者の避難に不安

 隣県の大規模災害は、南海トラフ巨大地震による津波被害など想定される本県にとって防災対策を根本から見直す契機となった。津波などが発生した時、被害を対応できる程度まで軽減させるためには長期的な視点に立つ対策が必要だろう。そのためには安全・安心な街づくりが不可欠となる。

 例えば、本県の沿岸地域では避難タワーの設置が進んでいるが、カバーする範囲は限られている。大津波で被害を受ける可能性が高い危険な場所では、高台など安全な地域への移転も誘導すべきだろう。

 宮崎日日新聞社は、地震や津波、風水害などへの備えを地域とともに考え、実践する防災ワークショップ「ソナウレ!」を2015年5月から実施。これまで県内5カ所で開いたが、「学校での被災に備えて、教員も生徒ももっと危機意識が必要だ」「高齢者や障害者の避難を考えると不安」「ボランティアの受け入れ方で戸惑う」などの課題が挙がった。

 災害があってから慌てて受援計画を作るのでは間に合わない。県だけでなく市町村単位で、被害想定に基づきアウトラインを事前に策定するよう提案したい。

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