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ホテル火災に備えて

2020年1月12日
 駆けつけた消防車と救急車は12台。宮崎市中心部のホテル7階で7日午前発生した火災で、周辺は一時騒然となった。出火元とみられる客室は全焼したが、幸い宿泊客や従業員は屋外に避難して無事だった。

 ホテル火災は避難や消火が遅れたら大きな惨事につながるから怖い。海外だがホテルの火事騒動に巻き込まれたことがある。午前7時。けたたましいベルの音。5階の部屋のドアを開けると白い煙が立ちこめている。階段を裸同然の西洋人たちが駆け下りていく。

 妻はシャワーの最中。「早く出て」と催促するが、恥じらいの日本人はなかなか浴室から出てこない。先に逃げると後でなじられるのであせった。1階にある食堂のトースターが焦げ付いただけの騒ぎだったが、いざとなったら冷静な行動が難しいことが改めて分かった。

 ホテル火災といえば死者33人を出した1982年のホテルニュージャパン(東京)が忘れられない。ちょうど大学受験シーズンで周囲に「前日泊まった」という人もいた。ずさんだった防火管理態勢が大きな批判を受け、スプリンクラーや自動火災報知機などの設置基準が強化される契機となった。

 2014年4月に始まった「防火対象物に係る表示」は安心なホテルを選ぶ目安になる。消防法や建築基準法などの防火安全基準に適合していると認められれば交付されるマーク。それでも客自らが非常時に備えて避難ルートなどを確認しておくのが大切だ。

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