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いい肉の日

2019年11月29日
 県外客が来ると高鍋町の口蹄疫メモリアルセンターによく案内する。本紙の記事やパネルを見るたび、2010年春に家畜伝染病の口蹄疫が発生して、瞬く間に広がり終息するまでの経緯をつらく思い出す。

 畜産業のみならず本県の経済界全体を冷え込ませた怖さを知ることで、防疫の重要性を啓発する格好の施設。まとまった人数なら予約して「語り部」の話を聞くことを勧めたい。農家や行政関係者が当時の体験や思い、現在の地元の状況などを率直に語ってくれる。

 先月話を聞いた畜産農家は、今も収束の気配を見せない豚コレラのワクチン接種について「国の決断が遅すぎた」と憤っていた。口蹄疫が発生初期の封じ込めに失敗して感染が広がり、自らも牛を処分に追い込まれた体験から迅速な対応を求める言葉には説得力があった。

 家畜伝染病ウイルスの本県侵入を全力で阻止する態勢を維持する中、本県の畜産関係者を喜ばせる話題があった。01年から禁止されていた日本産牛肉の中国輸出が来年にも再開する見通しとなった。全国和牛共進会などで確固たる評価を得た宮崎牛のブランドを巨大消費地で定着させるチャンスだ。

 江藤拓農相も、高品質な牛肉の増産に力を入れる考えを示す。きょう11月29日は「いい肉の日」。「より良き宮崎牛づくり対策協議会」が2004年に提唱した本県発祥の記念日だ。おいしい肉を食べて、産地を守るために消費者としてできることを考えたい。

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