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天草ジオパークの認定返上

2019年11月25日
 「天草ジオパーク」(熊本県天草市など)が「日本ジオパーク」認定を返上する、と聞いて軽い驚きを覚えた。そもそも、この種の名誉ある認定のために自治体等は懸命に運動を展開してきたはずだからだ。

 ジオパークは、地球の活動の様子をとどめる貴重な地質や地形をテーマに、自然に親しむための公園。有識者らでつくる日本ジオパーク委員会が認定する日本ジオパークは現在44カ所。うち阿蘇、島原半島など9カ所が「ユネスコ世界ジオパーク」になっている。

 認定されても、格別な特典があるわけではない。しかし権威ある機関からのお墨付きとなれば知名度向上、観光客誘致が期待できる。天草はそれほどの効果がなく、事務上の手続きとか解説板設置の費用など負担面の方が大きいと判断したのだろう。極めて異例の返上だ。

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたので、こちらの方が効果大、と考えたのも理由のようだ。ジオパークの普及に水を差された感じもするが、残念ながら本県でも関心が高いとは言いがたい。ちなみに本県関連では、鹿児島県にまたがる霧島が唯一の認定だ。

 関係6市町でつくる推進連絡協議会がマップ作成、講演会、散策会などを実施しており、世界ジオパーク認定も目指している。地形・地質は地球の成り立ちを教えてくれる最高の教材。観光も大事だが、教育的な観点からジオパークの活用をもっと探りたい。

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