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増える単身赴任

2019年11月23日
 県外へ飛行機で出掛ける際、たまに宮崎空港の周辺にいくつか点在する駐車場を利用する。週末にはほとんど満車になるのだが、意外に県外ナンバーが多いことを不思議に思っていたので係員に尋ねてみた。

 「いや、けっこう単身赴任者が多くて、週末に家族の元に帰るみたい」と答えてくれた。なるほど、はっきりとは分からないが会社員の30人に1人が単身赴任というデータもある。特に、都会から本県のような地方に単身赴任というパターンが多いのではないか。

 移動時間の短縮、家族形態の変化、企業の地方戦略の見直しなどが背景にあると思えるが、実は単身赴任者が多かったのは現代特有の現象ではない。磯田道史著「江戸の備忘録」によると江戸時代の武士も単身赴任が大変多かったらしい。特に殿様の参勤に従う江戸詰だ。

 推定では10人に1人以上。赴任が決まると、残す家族の心配をするのはいつの世も同じで、愛媛県に残るある武士の書き置きでは「毎日早起きしろ」「火の用心第一」「戸締まりも気をつけて」など大変細かい。台風への備えにも言及していて「予兆があればすぐにつっかえ棒を」などと指示している。

 当時は地方から江戸へのパターンが圧倒的だから、都会の娯楽が慰めだっただろう。今は、本県への単身赴任者にはぜひ、週末は家族を呼び寄せて一緒に自然や名物料理を満喫することを勧めたい。今日は勤労感謝の日。単身赴任のみなさんもお疲れさまです。

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