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記事から広がる世界

2019年11月15日
 新聞を製作していて「あの記事で人生が変わった」「考えが深まった」という読者の反応ほどうれしいものはない。記事がきっかけで、行政の在り方が改まったり、隠れていた不正がただされることもある。

 社会への影響を直接狙っていなくても、記事から波紋が広がることに記者は責任を覚え、使命感を新たにする。昨日掲載した第17回「新聞」感想文コンクールの入賞作品からも、一つの記事から子どもたちが好奇心を刺激され、世界を広げている様子が実感できた。

 小学生の部最優秀賞の江平小5年田中美羽さん「広めよう、命をつなぐたすき」は2月に本紙に載った記事から、人命を守るためにできることを考える大切さを訴える。記事は、マラソンで倒れた男性ランナーを助けようと周囲のランナーらが協力して男性を救った内容。

 救命医を目指す田中さんは、記事に出た救命救急センターの看護師らを訪問。「いつどこでだれがこうした場面に遭遇するか分からない」という言葉を受けて、自動体外式除細動器(AED)について学び、今まで気付かなかったAEDマークが通学路にもいくつかあることに初めて気付いたという。

 中学生の部最優秀賞の高鍋東中3年江藤心晴さんはネット隆盛でも「記事の向こう側に人々の葛藤や願い、笑顔が見える。人の心を感じる」と書く。活字メディアの核心を言い当てられたようで面はゆいが、若い世代の読み込みが記者を一層奮起させてくれる。

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